研究課題/領域番号 |
09610354
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 国文学研究資料館 |
研究代表者 |
大友 一雄 国文学研究資料館, 史料館, 助教授 (30169007)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 葬送儀礼 / 将軍祭祀 / 寺社奉行 / 江戸幕府 / 鳴物停止 / 恩赦 |
研究概要 |
本研究は、従来、等閑視されてきた近世の歴史将軍の葬送儀礼、ならびに祭祀儀礼のあり方を藩・町・村などとの関係にも注意しながら検討し、次のような成果を得ることができた。 (1)歴代将軍の葬送儀礼の主要舞台は、江戸城と埋葬地となる寛永寺・増上寺・日光山であるが、将軍の死はまさに全国的に日常生活が規制される国家的祭祀の場として存在した。また、対外的にも対馬藩を介して朝鮮李王朝へ伝達され、将軍代替わりの礼聘使とは別に弔いの使者が対馬へ派遣された。 (2)将軍の死に伴う藩内動向を岡山藩を事例に分析した結果、幕府の指示によるもの、藩が独自な判断によるものの二つに大別できた。前者には鳴物停止、犯罪者への恩赦などがあり(ただし、鳴物停止の実行方法は各藩の判断に委ねられる)、後者には座頭・瞽女への施し、将軍位牌の作成などがある。これらは主要なものに過ぎないが、恩赦は藩の独自な仕置権を侵す内容であり、領主権のあり方を考える上でも重要な課題となる。また、位牌は、それを納めた寺院(岡山では利光院)へ毎年斎米を与えており、藩が歴代将軍を独自に祀ることを意味する。 (3)徳川家の祖先祭祀儀礼は、寛永期に月々の命日に将軍自らが参詣するか、代参の者を立てる形が確立した。また、寛永期は日光山との関係が深いが、後代では日光山への参詣回数が減少し、紅葉山の霊廟などへの参詣が多くなる。歴代将軍祭祀礼儀は、江戸での儀礼行為の中でも、登城拝謁に次いで大名旗本の動員回数が多く、時には主体的な参拝も求められた。 (4)以上の成果を、報告書では(1)研究目的と活動概要、(2)研究報告(将軍の死をめぐる葬送儀礼、将軍家の祖先祭祀の実態)、(3)研究資料、という3つの柱のもとにまとめた。なお、この成果に関しては、暫時、学会誌などに発表する予定である。
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