• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

19世紀ドイツにおける国民国家の形成と社会政策

研究課題

研究課題/領域番号 09610400
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 西洋史
研究機関鳴門教育大学 (1999-2000)
鹿児島女子短期大学 (1997-1998)

研究代表者

田中 優  鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (40132526)

研究期間 (年度) 1997 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード社会保険 / ゲマインシャフト秩序 / 社会保守主義者 / 「地域共同」型 / 「国家共同」型 / 自治 / 社会自由主義者 / 「自立協同」型 / 帝国保険局 / 地域疾病金庫 / ゲマインシャフト / 社会調和 / 社会紛争 / ゲマインシャフト原理 / 仲間・近隣関係 / 労働者ミリュー(社会文化圏) / 職業 / 名誉 / 廃疾保険の優先 / 任意共済金庫 / パウペリスムス(社会の貧困) / 権威主義的ゲマインシャフト秩序体制 / 同権的ゲマインシャフト秩序体制 / 国家的統合 / 社会主義労働運動 / 改良主義
研究概要

1880年代に誕生した社会保険は、身分やコルポラティオーンに替わる新たな結合を作り出そうとする試みであった。産業化は国内移住を促進し、伝統的な結合から解き放たれた労働者には新たな結合が要請された。社会保守主義者と社会自由主義者は、ゲマインシャフト秩序の構築によってこれに応えようとした。社会保守主義者のゲマインシャフト(共同)秩序は支配するものとされる者との関係を内包するものであるが、この関係の構築に向けて二つのアプローチの仕方が対立した。ひとつは共同を有機的結合の視点から捉えて、これを地域によって担保しようとする「地域共同」型である。もうひとつは共同を国家によって作り出そうとする「国家共同」型である。
後者はビスマルク政府が主張したもので、その発想の源はインターナショナルと戦う単位として国家を位置づけ、国家の凝集力を高める手段として社会保険を捉えたところにある。前者の考えは保守主義者や社会カトリシズムに見出すことができ、反中央集権と自治を特徴とした。社会保険は「国家共同」型と「地域共同」型の妥協の産物であり、自治は国家のなかで捉え直され、保険担当機関を形成する基礎となった。
社会自由主義者のゲマインシャフト(協同)秩序は、自治を基礎に労働者の自立を促す「自立協同」型として捉えられる。そして、「自立協同」型は、体制内で使用者と労働者の力のバランスを作り出そうとした。社会保険の実践が示したのは、「自立協同」型の侵攻による社会保守主義者の共同性優位の喪失である。自治は社会保守主義者と社会自由主義者を社会保険に結集して共同から協同への転換を促し、労働者を国民に鋳直す機能を果たすのであって、国民国家は自治の伝統を生かしながら形成されたのである。

報告書

(5件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書

URL: 

公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi