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先史時代・古代土器の野焼き技術の復元

研究課題

研究課題/領域番号 09610408
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 考古学(含先史学)
研究機関金沢美術工芸大学

研究代表者

小島 俊彰  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (80046169)

研究分担者 小林 正史  北陸学院短期大学, 教養科, 助教授 (50225538)
久世 建二  金沢美術工芸大学, 美術工芸学部, 教授 (80177998)
研究期間 (年度) 1997 – 1998
研究課題ステータス 完了 (1998年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
キーワード野焼き / 開放型野焼き / 覆い型野焼き / 黒斑 / 実験考古学 / 甕棺 / 赤彩土器 / 黒色化手法 / 野焼き方法 / 野焼き実験 / 縄文土器 / 弥生土器 / 長胴甕
研究概要

以下の点で「野焼き方法は土器の形、大きさ、作りに応じた工夫が施されている」ことが明らかにされた。
(1) 弥生時代の甕棺の野焼き方法: 縄文・弥生時代において最も大型であり、高度な製作技術が要求される甕棺について、福岡県小郡市の津古空前遺跡(弥生中期前半)と横隈狐塚遺跡(中期中葉〜後半)の黒斑を詳細に観察し、2回の野焼き実験を行った結果、前者では丸太を芯にした粘土円柱の支え棒を用いて野焼き時に土器を斜めに立ち上げて設置していたのに対し、後者では横倒しに設置するように変化したことが明らかにされた。この変化の理由として、「円筒形に近い形の前者では内面下部まで燃焼ガスがゆき渡るように角度を付けて土器を設置したのに対し、寸胴形に変化した後者ではその必要がなくなったため、簡便な横倒しの設置になった」という仮説が提示された。
(2) 弥生時代の赤塗土器の野焼き方法: 赤塗土器が最も盛行する北部九州の弥生中期土器と長野地方の弥生後期土器(松原遺跡)の黒斑を観察した結果、1)弥生時代の赤塗土器は黒斑が少ない、2)松原遺跡では、赤塗土器の盛行に伴い土器を横倒しにし、薪燃料を多用する(側面と上部に薪を立てかける、その上を草燃料で覆う)号焼き宣法に変化する、3)縄文時代の赤塗は全て焼成後なのに対し、弥生時代の赤塗は全て焼成前に施されるようになる、などの点が明らかにされた。そして、電気窯による赤塗粘土板の焼成実験により、1
)薪を多用するのは赤塗の定着度を高めるためである、2)赤塗土器に黒斑が少ないのは、ベンガラのために炭素が酸化しやすいためである、3)弥生時代の焼式前赤塗は、野焼き時に黒斑を付けないで焼くことが可能な「覆い形野焼き」に対応したものである、の3点が示された。
(3) 縄文土器の野焼き方法: 4回の野焼き実験と東北地方の縄文土器(前・中期の三内丸山・板留(2)・滝の沢遺跡、および縄文晩期の九年橋遺跡)の黒斑を観察し、「内面に薪を入れて直立した状態で野焼きし、底部を加熱するため後半段階で横倒しにする」という野焼き方法を明らかにした。外面黒色化(褐色化)手法が縄文時代に盛行するが弥生時代にはほぼ消失する理由として、「一度全体を明色に焼き上げた後に、有機物を掛けて炭素を吸着させる黒色土器は、上述の開放型野焼きには適するが、弥生時代の覆い型野焼きには適さない」ことを明らかにした。

報告書

(2件)
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 久世建二・小島俊彰ほか: "弥生時代の赤塗土器の野焼き方法" 日本考古学協会第65回総会研究発表要旨. 65(印刷中). 85-88 (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 久世建二・小島俊彰ほか: "黒斑からみた甕棺の野焼き方法" 日本考古学協会第64回総会研究発表要旨. 64. 69-72 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 小林正史: "野焼き方法の変化を生み出した要因-民族誌の野焼き方法の分析-" 民族考古学序説. 139-159 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 久世建二ほか: "黒斑からみた弥生土器の野焼き技術" 日本考古学. 4号. 41-90 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 北野博司・久世建二ほか: "古代の土師器長胴甕の野焼き方法" 日本考古学協会第63回研究発表要旨. 107-110 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 久世建二ほか: "甕棺の野焼き方法" 日本考古学協会第64回研究発表要旨. (未完). (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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