研究課題/領域番号 |
09610449
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国文学
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
西島 孜哉 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (20102808)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 西鶴 / 出版 / 書肆 / 狂歌 / 鈍永 / 八文字屋 / 男色大鑑 / 好色一代男 / 芥川貞佐 / 貞柳 / 井原西鶴 / 日本永代蔵 / 藤井懶斎 / 桜陰比事 / 置土産 / 北條団水 / 桑田抱臍 |
研究概要 |
1 西鶴の営為と出版環境の相関について、出版を前提とした『諸艶大鑑』の構成意識から考察した。その場合、巻一の二および巻一の三を取り上げて、そこにみられる緻密な章構成が、自己の主題意識を具体化するために、十分に計算されたものであり、従来の読みのように、単に羅列的、且つ連想的に並べられているのではないことを証明した。新しい印刷文芸に取り組む西鶴の姿勢は、『諸艶大鑑』の版元である岡田三郎右衛門のそれと共通するものである。岡田が『一代男』の続編としての「二代男」ではなく、『諸艶大鑑』として出版したのは、西鶴の主題意識が「女色のかぎり」を様々な角度から描こうとするものであった点と矛盾しなかった。そこに作者西鶴と書肆岡田の営為のプラスの方向性を読み取ることができる。 2 狂歌師九如館鈍永、書律八文字屋白露・加賀屋卯兵衛などの活動の考察。鈍永の『京町鑑』への関与、さらには百科事典としての働きを持つ「節用集」や往来物への関与は、書肆と作者による出版メディア共同体としての文化サークルの中で果たされたものであった。鈍永や白露などが形成する文化サークルは文化の荷担者であるとともに伝播者ととしての働きを持つものであった。それは出版活動が大衆に浸透することでもあった。 出版を通じて大衆が文化を享受するという環境が形成され、書肆や作者は単に営利を追求するのではなく、文化的な役割を担うものであった。書肆や作者の働きは、そのような視点から把握されねばならない。
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