研究課題/領域番号 |
09610464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金子 義明 東北大学, 文学部, 助教授 (80161181)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 極小主義プログラム / c統御 / 英語助動詞システム / インターフェイス / 時制 / 法助動詞 / 否定 / 抱括性条件 / Reichenbach理論 / Inclusiveness Condition / 統論論・意味論インターフェィス / 助動詞 / 素性照合 / 極小主義 / 演算子 / 法 / 構成素統御 / NegP |
研究概要 |
本研究では、英語の時制(tense)、法助動詞(modal)、否定(negation)等々の助動詞(auxiliary)システムに関わる現象を、統語論・意味論・語用論のインターフェイスの観点から分析すると共に、生成文法の極小主義プログラム(Minimalist Program)でそれらの現象を説明する場合、どのような理論的枠組みが妥当かを考察した。まず、理論的枠組みに関しては、生成文法の研究において長く重要な位置を占めてきた構成素統御(c-command)を全く用いないモデルを提案した。最近のいくつかの研究において、c統御を統語構造構築のプロセスの帰結として派生的に(derivationally)定義する分析が提案されているが、本研究では、c統御は構造構築においても、また解釈においても何の役割も果たさず、派生的に定義する必要もないことを論じた。c統御を除去することにより、理論の極小化に重要な貢献ができる。具体的言語現象に移ると、まず時制に関しては、時制の意味解釈とそれに必要な統語構造の関係を、極小主義に包括性条件(inclusiveness condition)の観点から考察した。その結果、法助動詞と完了助動詞は、形態的具現化の有無に関わらず常に存在すること、また従来の発話時(Speech Time)、指示時(Reference Time)、事象時(Event Time)に加えて、法的指示時(Modal Reference Time)が必要であることを論じた。次に、否定に関しては、否定演算子を含む真の否定表現と、真の否定表現に「寄生する」擬似的否定表現を区別することにより、英語の文否定の諸特性が説明されることを論じた。法助動詞の意味解釈に関しては、従来の法助動詞に対する多義的分析をしりぞけ、英語の法助動詞は、すべての解釈において繰り上げ述語であり、語彙的意味はそれぞれの法助動詞ごとに単一であることを論じた。法助動詞が示す多様な意味解釈は、語彙的意味、語用論的情報、および叙述様式の相互作用によりもたらされることを示した。
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