研究課題/領域番号 |
09610478
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今井 光規 大阪大学, 言語文化部, 教授 (60034584)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 中英語 / 韻文ロマンス / 韻文ロマンスの文体 / 文要素の転置 / 韻文ロマンスの表現 / 表現 / transposition / 中英語ロマンス / 中英語の表現 / 反復表現 / コーパス言語学 / コーパスのタグ / 中英語の代名詞 / コンピュータ利用 |
研究概要 |
この研究は、中英語韻文ロマンス作品をとり上げ、表現の特徴を、語彙、統語論、ディスコースなどの観点から調査しようとしたものである。まず文要素の転置(Displacement)という現象に着目した。これは、中世英国韻文ロマンス作品に多く見られるとされ、本来従属節の中に置かれるべき副詞句や名詞句などが、節の外側、特に行頭に飛び出す一種の破格構文である。このような統語法が、具体的な文脈の中でどのような文体的効果をもつかを調査した。 このような統語法は、韻律の要請によると考えられることが多い。殆どすべての先行研究が、「主として韻律的な要因」によるとしている。本研究では、いくつかのロマンス作品からの用例を実際の文脈の中で検討することにより、転置が韻律の要請を満たしていることは紛れもない事実であるとしても、"in romance as we rede"のような、決まり文句に現れる転置でさえ、かなり多くの場合、物語の展開から見て重要な出来事と関連する部分に現れていることを観察した。一般的に、転置の現象により行頭に重要な要素が移動することは、それが物語の筋を牽引する役目を果たしていることが考えられる。これは、古い時代の口承による物語における語り手側の、聴衆の興味をつなぎとめる必要性とも一致するものであるという可能性を示唆すると考えることが出来よう。今回の調査は狭い範囲に限られているため、この結論はさらに多くの資料によって検証する必要がある。 本研究では、文体的特徴を探るコーパス言語学的処理方法についても実験を行った。
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