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ベルリン中央衛生局と都市空間-近代的〈バイオ権力〉の発動の場としての公衆衛生

研究課題

研究課題/領域番号 09610520
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 独語・独文学
研究機関立教大学

研究代表者

原 克  立教大学, 文学部, 教授 (40156477)

研究期間 (年度) 1997 – 1999
研究課題ステータス 完了 (1999年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワード都市論 / テクノロジー / 公衆衛生 / 科学技術 / ディスクール分析 / 近代化 / メディア / ベルリン / 墓地・埋葬 / メディア論 / 表象活動 / バイオ権力
研究概要

本研究では、申請者自身の先行研究に立脚しつつも、墓地・埋葬形式というこれまでのテーマと隣接した都市現象のフィールドに視点を拡大し、言説・表象の近代化プロセスをより体系的に検討することをめざした。このため具体的には、ベルリンにおける公衆衛生問題の典型として、<一八八三年ベルリン衛生博覧会><公設市場の設置><ミルクと中央衛生局><ゴミ収集システム>という四事例を選び、1840年から1945年までの期間において、それぞれ(a)数値的、空間的変容、(b)法的、行政的規制、(c)文化的慣習、(d)宗教的、経済的付加価値、(e)メディアによる伝達のされ方、(f)そうした情報が、同時代の生命観・衛生観をめぐるディスクールへのフィードバックのされ方を体系的に追った。そうすることで、数値的な具体的データが、ついには理念的あるいは文化的無意識のレベルに吸引されていくダイナミズムをさぐり、単に数値データにとどまらず、生命および健康問題をイメージ化し、図像化する表彰プロセスまで視野にいれることができた。
これまでの先行的な検討作業を通じて、申請者は公衆衛生という「専門的」言説を通して、生命と死をめぐり新しい言説の枠組みが「総体的・総合的」に都市空間をおおっていくプロセスを、単に歴史的・社会学的視点からではなく、表象の近代化という大きなフィールドから分析、評価できた。それにより、ベルリン都市空間と近代という限定的な問題定立にとどまらず、都市の分析を表象一般というより広範な問題領野に関連づけることができ、ロンドン、パリ、ニューヨーク、ミラノ等を対象とし、<固体>の近代化と<マス・群集>の近代化を体系的に捉えることが可能となり、そこでの分析結果は、単著書『モノの都市論』(大修館書店)刊行という形で、ひとり申請者が専有することなくまた学会のみならず広く言論界へとフィードバックし、一般の読者にも公表している。

報告書

(4件)
  • 1999 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1998 実績報告書
  • 1997 実績報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (17件)

  • [文献書誌] 原克: "ゲーテ時代のカタログ検索-バロック的知の序列から近代的データプールへ"『月刊百科』平凡社. 19-23 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 原克: "『モノの都市論』-二〇世紀をつくったテクノロジー文化誌』"大修館書店. 282 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Katalog-untersuchung in Goethezeit: "Von Wissensordnung in Barock Zeit zu Datenarchiv im modernen Zeitalter""Gekkan Hyakka" Heibonsha. Tokyo. 19-23 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Katsumi Hara: "Urbanistik der Dinge (Mono no Toshiron)."Taishukanpub. Tokyo. 282 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1999 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 原 克: "ゲーテ時代のカタログ検索-バロック的知の序列から近代的データプールへ"月刊百科 平凡社、. 19-23, (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "モノの都市論-二〇世紀をつくったテクノロジーの文化誌"大修館書店. 282 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "ミリオラマ、あるいは消費される空間疑似体験" 立教大学ドイツ文学科論集『アスペクト』. 32号. 93-110 (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "19世紀、伝統的メディアも視覚データ保存を欲望する" 『図書新聞』連載「書物のアナトミー」. 2377. (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "19世紀、知覚の変容を計測する<スピード>という文化現象" 『図書新聞』連載「書物のアナトミー」. 2386. (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "伝統的な英国風景画からの差異としての「ミリオラマ」" 『図書新聞』連載「書物のアナトミー」. 2402. (1998)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "19世紀のスベクタル装置と<固定した眼差し>" 『図書新聞』連載「書物のアナトミー」. 2428. (1999)

    • 関連する報告書
      1998 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "ベルリンとアスファルト-バリケードと失われた革命" 大修館書店月刊『言語』連載「都市と近代」. 6. 18-19 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "高架鉄道とベルリン-軋む現代都市の鼓動" 大修館書店月刊『言語』連載「都市と近代」. 7. 18-19 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "給水塔とリバプール-都市空間の基盤としての水" 大修館書店月刊『言語』連載「都市と近代」. 8. 18-19 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "ミラノと再生炉型高熱炉-死の近代化" 大修館書店月刊『言語』連載「都市と近代」. 11. 10-11 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "19世紀、高速移動は空間知覚の関数になる" 『図書新聞』連載「書物のアナトミ-」. 2380. 3- (1998)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書
  • [文献書誌] 原 克: "ラテルナ・マギガ、あるいは映像戦略の図像学-イエズス会、啓蒙主義、見世物興行" 立教大学;ドイツ文学科論集『アスペクト』. 31. 1-22 (1997)

    • 関連する報告書
      1997 実績報告書

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公開日: 1997-04-01   更新日: 2016-04-21  

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