研究課題/領域番号 |
09620062
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
平林 紀子 埼玉大学, 教養学部, 助教授 (30222251)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | マスメディア / マス・コミュニケーション / 政治コミュニケーション / 選挙 / フォーカス・グループ / メディア・リテラシー / 世論 / 政治報道 / 日本政治 |
研究概要 |
マスメディアが媒介するデモクラシーにおいて、現在の政治報道が有権者のリアリティを的確にとらえ、有権者にとつて身近で有益な情報を提供しているかという観点から、報道の送り手と有権者の民意報道に対する捉え方の齟齬を、それぞれの側のヒアリングをもとに調査した。 研究プロジェクト1:選挙と政治に関する報道の「民意表現」の受容と解駅に関する有権者グループインタビュー(1998年2月) 首都圏在住有権者5名×3グループの集団面接調査を実施。サンプルは(1)男性管理職(40歳代)、(2)男性自営業(30歳代後半)、(3)女生・既婚有職者(30〜40歳代)。選挙・政治に関する民意表現を含む実際のテレビ報道・新聞記事を素材に、世論認知、報道解釈評価、自己との関連などについて、司会を中心に討論させた。 研究プロジェクト2:マスメディアの政治報道における民意表現の制作過程と意思決定に関する、報道担当者聴き取り調査(1998年11月〜99年3月) 在京大手各紙の編集委員、政治部、社会部、世論調査部、読者投稿欄の実務責任者(特に98年参院選選挙報道担当者)を対象に、街の声、世論調査、読者投稿など民意報道の諸表現について、取材編集上の意思決定過程、民意観を調査。 主な研究知見 (1)有権者は、報道の取材や編集のメカニズムについて高度な批評力を示す。 (2)有権者は集合としての「民意」に懐疑的であり、むしろ、自分と異なる経験や背景をもつ多様な他者の意見から、自分の位置を確認するためのリファレンスと捉える。 (3)送り手は部門によって、民意を読む・媒介する・リードするという3関係モデルのあり方が異なる。民意ヘの注目が、政治状況の流動化に伴う有権者の動きの読みにくさと、政治報道の存在意義の見直しに蝕発されていることは、米国の事情に類似する。
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