研究課題/領域番号 |
09630018
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済理論
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
小田 秀典 京都産業大学, 助教授 (40224240)
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研究分担者 |
秋山 英三 東京大学, 大学院・総合文化研究科
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部 (90022277)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | セルラ・オートマタ / 遺伝アルゴリズム / 寡占市場 / ネットワーク外部性 / シミュレーション / 様相論理 / 複雑系 / 人工社会 / 遺伝子アルゴリズム / セラ・オートマタ / 論理 / 共有知識 |
研究概要 |
科学研究費補助金により、研究代表者と共同研究者は、独占・寡占市場の動学を表現するセルラ・オートマタの計算機実験と理論的分析、知識に基づく推論の数学的表現、マーケティング、ダイナミック・ゲーム、経済成長の理論における計算機実験、遺伝アルゴリズムによる動的ゲームの計算機実験と理論的解析(秋山の別稿)、の4つを進めた。これらは既に国際学会などで報告され、今後の発展も期待できるので、全体として満足のいく成果と思う。 研究計画の主要な目的である、寡占市場の動学分析のためのセルラ・オートマタに関しては、消費者のネットワーク外部性と熟練のあるときの複占市場をセルラ・オートマタで表現し、計算機実験を行った。わずかな初期条件の相違により最終的に市場を支配する商品が入れかわることに加え、価格の低下が全消費者に対して一様でないときには、市場が静的な均衡に達せず複雑に変化し続ける可能性のあることを確認した。さらにセルラ・オートマタの表現力を高めるため、以下の計算機実験と理論的研究を行い、内外の学会や研究会で報告した。 (1)結託構造とコミュニケーションの進化を調べるために、遺伝的アルゴリズムをもつ三人ゲームの計算機実験を行った。 (2)生産者間、および生産者-消費者間のネットワーク・コミュニケーションを研究するためのプログラムを作り計算機実験を行った。 (3)人間の相互依存的推論を理解するために、帽子の色あてパズルを例題に様相論理を応用する理論研究を行った。 とくに最後の理論研究は、体系の内で規則に従って意思決定するだけのオートマタではなく、体系の外に出てメタ定理を証明しそれを体系内にもちこんで推論を続けるという人間の推論の定式化として新しい。これは、現在開発中のセルラ・オートマタだけでなく、物理学や生物学には見られない、互いの行動を読みあう主体からなる複雑系の研究一般に応用可能であろう。
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