研究課題/領域番号 |
09630048
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
石井 久子 高崎経済大学, 経済学部, 助教授 (50285061)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 失業 / 若年労働者 / 技術進歩 / 失業率 / 無業者 |
研究概要 |
若年労働者の失業率は1990年代に入り顕著に増加した。当研究はこの増加の要因を包括的に分析することを目的とした。労働供給側の要因として、労働力人口、労働移動、地域間移動、学卒後の進路より分析した。労働需要側の要因として、摩擦的、構造的、循環的失業からアプローチした。 高齢化にともない年功賃金が労働分配率を高めている。賃金関数により、勤続の賃金上昇効果を企業規模別に計測した。大企業では勤続プロファイルの傾きが緩やかなってきた。しかし中小企業のプロファイルはむしろ傾きが急になってきた。そして、定年延長が新規学卒採用を抑制する可能性がある。したがって、若年労働者が参入できる内部労働市場は縮小するであろう。この労働市場は、スキル形成の観点から良好な労働市場なのだ。 一方で、新卒派遣、男子のパートタイム、契約社員等の非典型雇用が増加するだろう。これらは外部労働市場に属し、比較的参入・退出が自由なので、転職にともなう摩擦的失業が増加すると予測される。 雇用創出のプロセスを米国の失業率低下から検証した。これは1999年に日米の失業率が逆転したことに着目したからだ。個人消費の拡大が雇用拡大に貢献した。そして経済のサービス化が一層進展し、「ハイテク・サービス」業も出現した。実質賃金の伸縮性や労働市場の柔軟な構造が失業率の低下をもたらした。その一方で、労働需要の高まりがスキルレベルで異なることにより、所得格差の拡大をもたらした。 失業率は統計的な数値で、極めてダイナミックだ。今後の若年失業は労働力人口の減少にともない、低下するかどうか問題である。スキルのミスマッチはコーホート・サイズとは関係なく存在する。雇用の安定、労働市場の柔軟性、スキル形成が可能な新しいパラダイムの構築が早急に望まれる。
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