研究概要 |
主要先進国から東アジア諸国への金融リンケージの強さが東アジア諸国の為替レート決定メカニズムの解明から確認された。また、1997年度に発生したアジア金融危機の原因を検証する中で、金融危機が東アジア諸国間で伝染する経路を分析する中で、東アジア諸国間の金融リンケージの強さが確認された。さらに、主要先進国間の為替レート決定メカニズムの解明から、それらの間での金融リンケージの強さも確認された。こうして、世界全体で金融の国際化の進展により金融リンケージが強まっている。そのことは、各種の撹乱やショックが急激な資本移動や為替レート変動を引き起こして、金融不安定性を国際的に伝播する危険性をはらむことを意味する。こうして、このリンケージの強化は、東アジア地域と主要先進国間との間において、また、東アジア地域内において、株価・金利・為替レート安定のための協調的枠組みの必要性を示唆するものである。これらは、次の題目で以下の学会で報告された。「アジア金融危機の要因:当事国と非当事国との比較分析」『生活経済学会』(1999.4),「Testing PPP Hypotheses between Japan and the Six G7 Countries」『JAFEE 1999 International Conference』(1999.8),「The Causes of Asian Currency Crisis:Empirical Observation」『統計研究会第2回金融斑コンファレンス』(1999.8)「アジアの金融危機」『東北経済学会』(1999.9),「An Empirical Studies of Testing PPP Hypotheses in the Five-dimensional VAR model」『金融学会』(1999.10),「アジア金融危機:原因発生時点の特定化と発生理由」『アジア経済研究合同学会』(1999.11)。
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