研究課題/領域番号 |
09630095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
藤井 宏史 香川大学, 経済学部, 教授 (00145038)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 金融調節 / 日本銀行 / 準備の調節 / 金利目標政策 / ゼロ金利政策 / 流動性のワナ / ベースマネー / 短期金利 |
研究概要 |
本研究の目的は、日本銀行の金融調節のメカニズムとマクロ経済的な含意を明らかにすることであり、より具体的には、日本銀行の金融調節を動学的な銀行準備の積み調整モデルとして定式化して数値シミュレーションによる比較動学分析を試みるとともに、日銀型金融調節の政策上の功罪を明らかにすることである。 定式化のポイントは、銀行準備の積みの調整費用と資金繰りの予想形成を組み込んだ銀行の最適な準備の調整行動を如何に定式化すかであったが、第一次近似として短期金利の予想形成として「適応的な予想形成」を採用したad hocな形の積み調整行動を前提にして数値シミュレーションを行った。その結果、予想短期金利の調整が緩慢なほど、準備需要の短期金利反応度が小さいほど、金利誘導が成功することが分かった。 次に、日銀の金利誘導型金融調節を広い意味で金利平準化政策とみなし、その功罪を、銀行が負担する金利リスクに注目して分析した。その結果、金利平準化は、銀行の金利リスクの負担軽減と政策情報のシグナル効果により、貸出供給の短期金利反応度を上昇させて政策の有効性を高めることが分かった。 最後に、ゼロ金利政策に象徴される金融政策運営の特徴を明らかにするとともに、この間の日本経済の状態が、金利誘導型のマクロ経済モデルでどのように説明できるかを示した。その結果、一連の金融破綻による流動性選好(現金選好)の高まりが今までの金融調節方式に大きな変更をもたらしていること、ゼロ金利政策の効果が出るか否かは、政策が如何にして市場のリスクプレミアムを低下させ、銀行部門のリスク負担能力を高められるかにかかっていることが分かった。
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