研究課題/領域番号 |
09630127
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
会計学
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研究機関 | 筑波大学 (1998) 東北大学 (1997) |
研究代表者 |
小倉 昇 筑波大学, 社会工学系, 教授 (10145352)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 事業部制 / 業績管理会計 / 事業部貸借対照表 / 資本コスト / キャッシュフロー管理 / 投資責任単位 / 利益責任単位 |
研究概要 |
本研究では、社内分社制やカンパニー制と呼ばれる事業部門別管理組織のあり方が近年顕著に変化してきている点を捉え、米国の組織論の研究者ガルブレイスの提示する概念を借りてクラスター型組織と位置づけた。この動きを管理会計の視点から解釈すると、利益責任センタ概念から、投資責任センタへと管理概念がシフトしてきていると受け止めることができる。 上記のような動きを事業部制の変貌としてとらえ、また、組織の変化の際だつ日本企業について、組織変化の形式的・表面的な観察ではなく戦略的な意図がどのように反映されているのか実態を調査し、組織の変化に対応して多期間的な管理会計尺度の採用が重視されていることを仮説として提示した。また、1985年から1995年の間に事業部制からカンパニー制に移行した企業を訪問調査し、これらの企業に、事業部毎またはカンパニー毎の貸借対照表(以下、事業部B/Sと略称)を作成し、社内資本金制度を採用する傾向が強いことを指摘した。 事業部B/Sは1960年代から観察される日本企業に特有の管理会計制度であるが、1980年代以降これを採用する企業数が顕著に増加していること、この時期に事業部B/Sを採用した企業には事業部P/Lと事業部B/Sを併せて用いることによって、事業部のキャッシュフローの管理まで考えようとするアイデアを有していることを調査による観察から導いた。事業部別のキャッシュフロー管理はときを同じくして米国の企業でも観察されるようになることがいくつかの文献で報告されており、このような米国企業の場合、経済的付加価値(economic value-added)という管理会計尺度の採用が顕著に見られるとされており、米国企業における経済的付加価値の機能が日本企業における事業部B/Sの機能と共通性が高いことを論証することができた。
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