研究課題/領域番号 |
09640009
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
齋藤 秀司 (斉藤 秀司 / 斎藤 秀司) 東京工業大学, 理学部, 教授 (50153804)
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研究分担者 |
黒川 信重 東京工業大学, 理学部, 教授 (70114866)
斎藤 毅 (斉藤 毅) 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (70201506)
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 代数的サイクル / チャウ群 / アーベル・ヤコビ写像 / アーベルの定理 / ホッヂ構造 / 周期積分 / Hodge理論 / Abol-Jacobi写像 / Griffithsの定理 / Chow群 / 高次Abel-Jacobi写像 / ノーマル ファンクション / Griffiths群 / 混合ホッヂ構造 / トレリ問題 |
研究概要 |
代数的サイクルの研究の歴史は長く、その重要性は代数幾何のみならず整数論においても深く認識されている。当該研究はAbelの定理の一般化及び高次元化を主な目的とする。Abelの定理とはRiemann面上X上の因子にたいしそれがX上の有理型関数の因子となるための条件をX上の正則な微分形式のある積分に関する条件で与えるもので、19世紀の一変数複素関数論の金字塔である。Abelの定理の高次元化とは“高次元代数多様体X上の代数的サイクルにたいし周期積分を使ったHodge理論的な不変量を探し出し、これによりサイクルが有理同値、あるいは代数的同値であることを判断する"と言う問題に他ならない。 Xを非特異射影的複素多様体とし、CH^r(X)をX上の余次元rの代数的サイクルのなす群を有理同値で割った群、Chow群を表す。上の問題への重要な第一歩がGriffithsが60、年代の終わりに定義したAbel-Jacobi写像p^rx: CH^r(X)_<hom>→J^r(X)である。ここでCH^r(X)_<hom>⊂CH^r(X)はホモロジー的にゼロに同値なサイクルの成す部分群で、J^r(X)はXの中間Jacobi多様体と呼ばれる複素トーラスである。Abelの定理の主張はXがリーマンでr=1の場合に上の写像が同型である、と言い換えられる。しかし1968年MumfordはXが曲面でr=2の場合にはp^2xは一般には巨大な核を持ちうることを示した。当該研究の主要な成果としてGriffithsのAbel-Jacobi写像を一般化する高次Abel-Jacobi写像を構成した。さらにGriffithsのAbel-Jacobi写像では消えてしまうような種々の代数的サイクルが高次Abel-Jacobi写像により捉えられることを示した。これらの結果は高次Abel-Jacobi写像が代数的サイクルの研究に本質的な進歩をもたらす可能性を示唆している。
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