研究課題/領域番号 |
09640053
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
中島 徹 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20244410)
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研究分担者 |
竹田 雄一郎 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30264584)
卜部 東介 茨城大学, 理学部, 教授 (70145655)
岡 睦雄 (岡 睦夫) 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011697)
今野 宏 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20254138)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 共形場理論 / モジュライ空間 / ベクトル束 / K3曲面 / カラビーヤウ多様体 |
研究概要 |
当研究の目的は、代数幾何学的方法によって2次元共形場理論を4次元へ拡張する数学的理論を構成する事であったが、我々は、特にその良いモデルとして4次元Wess-Zumino-Witten理論と呼ばれる物理理論を考察した。研究の最大の成果は、そこに現れる共形ブロックの空間を数学的に厳密に定式化し、Hirzebruch曲面の場合にはそれらの次元を計算する事に成功した事である。この結果は、代数曲面上の安定ベクトル束の成すモジュライ空間を半安定層によってコンパクト化してその上に行列式直線束を構成する、という方法によって得られた。共形ブロックの空間と表現論との関係を解明する事は残念ながら十分には出来なかったが、研究の過程に於いて以下に述べる様に大きく分けて二種類の成果を更に得る事が出来た。 第一の種類の成果は、代数曲面上の安定層の存在とそれらのモジュライ空間の幾何に関するものである。我々は、次数1の安定ベクトル束の概念を導入し、正則曲面の場合にそれらが存在する為の十分条件とモジュライ空間の双有理型を決定した。又、ベクトル束の変形理論を使ってK3曲面上の第一チャーン類0の安定束に関しても存在定理を証明し、これを基に弦理論に於けるT-双対性が反射関手として実現される事を明らかにした。 第二に、高次元代数多様体上のベクトル束に関しても幾つかの結果を得た。まず、正標数の体上定義された多様体上の安定束に対し、制限の下で安定性が保たれる様な因子に対してその次数の下限の評価を得た。この結果から、高次元多様体上の安定層のモジュライは制限写像によって因子上の安定層のモジュライに埋め込む事が可能である事が導かれた。又、我々は曲線上のファイバー構造を持つ高次元代数多様体上の安定束の幾何学を研究し、モジュライの量子コホモロジーが曲線との直積多様体のGromov-Witten不変量と本質的には一致する事を証明した。
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