研究概要 |
1. 研究代表者がかつて行った岩澤λ-不変量に関する研究“Two aspects of the relative λ-invariant"(Bulletin of the London Mathematical Society 24(1992),243-248)における一つの主張の証明中に誤りを見つけたため、それを訂正した内容を論文(correction)にまとめて発表した。 2. kを総実な有限次代数体とするとき、kを最大実部分体とするCM体の全体をΩとし、 Ω_3={K∈Ω|Kの岩澤μ^-_3-不変量及び岩澤λ^-_3-不変量が共に0に等しい} とおく。木村巌氏の協力を得た研究代表者は、Datskovsky-WrightによるDavenport-Heilbronnの理論の一般化を土台にしてΩ_3の部分集合が持つΩにおける密度の下からの評価を与えることにより、Ω_3が無限集合であることを示すことができた。そして、そのような結果をまとめた論文を日本数学会の“Journal"に発表することになった。論文では上記の成果のいくつかの応用例にも触れる予定である。また関数体に関する類似の結果が木村氏により雑誌“Manuscripta Mathematicae"97(1998),81-91に発表された。 3. アメリカ数学会からの依頼に応じて、研究代表者の論説“岩澤不変量について"(“数学"48(1996),358-371)を英訳したものを書いて“Sugaku Expositions"に投稿した。直訳をするのではなく、“数学"における不十分な記述を補充するように努め、ごく最近の結果についても言及した。 4. 現在number knotsの研究に取り組んでいる。
|