研究概要 |
1996年に発表したpro-affine代数とind-affine varietyの理論はまだ中途半端なものであった。この反省の上に立ってこの理論は根本的に見直され再構成された。以前の代数閉体Kではなく一般の体Kの上に定義されたpro-affine代数Aにおいてイデアル論や局所化理論ができた。Aの開かつ素なイデアルの全体がAの双対であるところのind-affine scheme Sp(A)である。このSp(A)の上にpro-affine代数の前層がすぐに構成できる。これが実は層(sheaf)になることも証明した。このようにして,ようやく新しいpro-affine algebraとind-affine schemeの理論が出来上がり,"Some Basic Theorems on Pro-affine Algebras and ind-affine schemes"としておよそ80%以上完成している。ごく近い将来に完成され次第,研究誌に投稿されるであろう。 この研究の間に,いわば副産物として(1)アフィン空間の自己同型群がind-affineであることの新証明,と(2)アフィン多様体間の射の全体からなる集合に自然にind-affine構造が入れられるということの証明,とができた。この結果をまとめて論文"Sets of Morphisms as ind-affine Schemes"は若干の編集作業を除いては完成しており,近日中に投稿されるであろう。
|