研究課題/領域番号 |
09640077
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代数学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
長岡 昇勇 近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)
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研究分担者 |
中川 暢夫 近畿大学, 理工学部, 助教授 (10088403)
田澤 新成 近畿大学, 理工学部, 教授 (80098657)
泉 脩蔵 近畿大学, 理工学部, 教授 (80025410)
浅井 恒信 近畿大学, 理工学部, 講師 (70257963)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 整数論 / 保型形式 |
研究概要 |
多変数保型形式の典型的な例であるSiegel modular形式やHilbert modular形式については近年その発展がめざましい。これらの対象は、古典的な一変数保型形式の単なる拡張としてではなく、二次形式論や代数的整数論等への応用をめざし、Hilbert-BlumenthalやSiegelによって研究の出発点が明確にされた。我々の研究目標は、一変数の場合に得られ様々な応用のあった結果を多変数の場合に拡張することであった。この研究期間中大きく分けて2つの結果を得た。一つは有限体上のSiegel modular形式に関する結果、二つ目はp進体上のSiegelmodular形式に関する結果である。最初の結果は一変数の場合にかつてSwinnerton-Dyerが得たものを2次の場合に拡張したものである。これまでも特別な素数pについての散発的な結果は存在したが、今回の研究により5以上の全ての素数pについてその構造を決定することが出来た。二番目の結果は、かつて一変数の場合にJ.-P. Serreが研究したp進modular形式の理論を高次元に拡張しようという試みのなかで得られたものである。Serreはp進modular式の概念を定義し、その典型的例であるp進Eisenstein級数なるものを考察することによって、Kubota-Leopoldtのp進L-関数を再構成した。我々の結果はSerreが得たp進Eisenstein級数を次数の高いSiegel modular形式の場合に考察したもので興味深い点は、それが再びある種のSiegel modular形式になっていることである。具体的に述べると、整係数2元2次形式に付随するgenus theta級数と一致する、というもので一変数の場合はHeckeによる古典的結果である。双方の結果とも論文にまとめられMathematische Zeitschriftに掲載が決定している。
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