研究分担者 |
水谷 忠良 埼玉大学, 理学部, 教授 (20080492)
酒井 文雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (40036596)
江頭 信二 埼玉大学, 理学部, 助手 (00261876)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
奥村 正文 埼玉大学, 理学部, 教授 (60016053)
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研究概要 |
主に,Spin構造の変形物であるSpin^q構造(Nagase:Spin^q structures,J.Math. Soc. Japan,47(1995),93-119において導入)に付随するtwistor空間,断熱極限,等の研究に取り組んだ。本研究で呼ぶtwistor空間(Spin^q束のSpin^cによる商束の全空間:次元に制限はなくかつ自然なSpin^c構造を持つ)は,twisor空間と通常呼ばれるもの(PenroseやSalamon達によるもの:4n次元である)の拡張である。特に興味深いのは奇数次元Spin^q多様体上の(よって奇数次元)twisor空間で,その空間のエータ不変量の断熱極限と底空間のエータ不変量との関係の研究は,物理学のいうglobal anomalyの研究に対応している。詳しくは,Nagase:Spin^q,twistor and Spin^c(Commun. Math. Phys.,189(1997),107-126)において論じている。なおこの研究は,更に,Nagase:Twistor spaces and the adiabatic limits of Dirac operators(preprint)(上述twistor空間は実はSpin構造を自然に持つこと,さらにその構造の導くエータ不変量の断熱極限等を論じている。),Nagase:The adiabatic limits of signature operators for Spin^q manifolds(preprint)(特に指数作用素の断熱極限についての研究),Nagase:Twistor space and the Seiberg-Witten equation(preprint)(Spin^q-SW方程式のtwistor空間への引き上げ理論の構成とその"理論"の断熱極限の研究),へと発展している。その他関連して,解析的トーションの断熱極限の研究を行った。このトーションは,ラプラシアンの熱核のトレースの(時間パラメータt→0の場合の)漸近展開に本質的に依存している。研究対象は,そのトーションの(断熱極限パラメータε→0の場合の)極限であり,上述漸近展開が二つのパラメータt,εにどう依存するかを明確にする必要がある。現在,トップ項(t^<-1/2>の係数)をεの関数として書き下すことに成功している。
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