研究分担者 |
越川 浩明 千葉大学, 教育学部, 助教授 (60000866)
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
高木 亮一 千葉大学, 理学部, 教授 (00015562)
日野 義之 千葉大学, 理学部, 教授 (70004405)
久我 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (30186374)
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研究概要 |
広義力学系とは,葉層構造,離散群作用,擬群作用,更には空間の分割をも含む,力学系の拡張概念である.本研究では狭義力学系の諸理論の広義力学系への一般化について考察し,以下の成果を得た.まず,平成9年度は,葉層構造に対して擬葉追跡性の概念を定義し,その基本性質を調べた.具体的には,次の結果を得た. 1. レープ葉層,アノソフ葉層は擬葉追跡性をもつ. 2. 擬葉追跡性と拡大性を併せ持つ葉層は構造半安定である(Bowen-Waltersの有名定理の拡張). 3. 群作用とその懸垂葉層との間に擬軌道(擬葉)追跡性の遺伝がある. 平成10年度は,更に考察を進め,次の結果を得た. 4. 群作用とその懸垂葉層との間の遺伝が,上述3以外に,構造半安定性と拡大性についても成立する. 5. 擬葉を可算点集合として定義すには,Cheegerの質量中心の概念が有効であることを認識した. 6. コンパクト葉の増加率のエントロピーによる評価式ついては,現在,反例を構成中である. 7. 葉層の場合,安定性から擬葉追跡性は従わないと思われる. これらの結果は研究代表者が論文としてまとめ,TokyoJ.Math.から出版予定である.また,関連論文はErg.Th.Dyn.Sys.から出版した.また,本研究で導入された擬葉の概念は,既に,Walczak等により,別の方面(ヴァーチャル葉の存在,エントロピーの定義)にも応用された. 分担者日野は解析的視点から時間依存力学系(プロセス)の安走性について研究した.越川は群作用のcut and pasteについて論じ,高木は複素射影空間内の実超曲面を研究した.
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