研究概要 |
● Duffing方程式の2パラメータ解を多重スケールの方法を用いて指数漸近級数により構成し,その収束を示した上でそれが求積法で得られる楕円関数を用いて書かれる解のFourier級数展開となっていることを示した. ● PainleveII型およびIII型の方程式についてその指数漸近級数解の接続問題を議論する際にもっとも基本的となるStokes幾何を決定した. ● 大きなパラメータを含む3階線型常微分方程式のストークス幾何の決定に関するAnsatzを提出した。ラプラス型のように解の積分表示が可能な場合はストークス幾何は積分路を峠道に取ることにより、そのトポロジカルなパターンの切り替わりとして捉えられる。いくつかの例に関して,Ansatzによりストークス曲線を描き、それが積分表示により得られたストークス現象の起きる場所と一致していることを確認した。 ● 局所環の有限部分集合に対して超越性を計る尺度を導入し,とくに収束べき級数環において,ある種の特殊関数族に対しては,それが有限となることを示した. ● 被約解析空間のMoishezon空間に沿った完備化の間の形式的射は、reasonableな条件下で「1点で収束すれば全体で収束する」ことを示した。これは形式的関数に対するGabrielovの定理の拡張となっている。 ● ρ-葉有理型関数に対してある種の微分演算子を導入してρ-葉有理型関数族に対する微分不等式に応用した. ● 原点で消え,導関数の値が1であるような単位円板上の解析関数に対してRuscheweyh微分を含む歪み不等式を導いた.
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