研究課題/領域番号 |
09640237
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
解析学
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
草野 尚 福岡大学, 理学部, 教授 (70033868)
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研究分担者 |
黒木場 正城 福岡大学, 理学部, 助手 (60291837)
田中 尚人 福岡大学, 理学部, 助教授 (00247222)
吉田 範夫 富山大学, 理学部, 教授 (80033934)
内藤 学 愛媛大学, 理学部, 教授 (00106791)
西郷 恵 福岡大学, 理学部, 教授 (10040403)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 振動理論 / 非線形微分方程式 / 非線形Sturm-Liouville作用素 / 振動解、非振動解 / 零点分布 / 特異解 / 振動解.非振動解 / 定性的理論 / 定量解析 |
研究概要 |
本研究は、平成9年度と10年度の両年度にわたり、研究代表者及び研究分担者の緊密な協力の下で、研究計画・方法に則して精力的に実施され、当初の期待を上回る大きな成果を挙げて終了した。得られた成果は、常微分方程式、偏微分方程式、関数微分方程式をカバーする先端的かつ高度なもので、発表されれば、微分方程式の定性的理論に貢献する重要な結果として、世界の同分野の研究者から高い評価が与えられることは疑いない。以下にその一部を紹介する。 我々は、非線形Sturm-Liouville微分作用素を含む微分方程式の定性解析において世界をリードしているが、これに関連するテーマが本研究においても中心的な地位を占めた。我々は、先ず、線形微分方程式に関して知られている古典的なPicone等式が、自然な形で、“半分線形"と呼ばれる非線形Sturm-Liouville常・偏微分方程式に拡張されることを示し、その等式が新しい比較・振動理論の構成に効果的に応用されるという注目すべき事実を明かにした。我々は、次に、無限区間で定義された非振動解の零点の個数を数え上げるという困難な問題に挑戦し、考察を半分線形Sturm-Liouville常微分方程式の“主要解"に限定すれば、理論的にはこれが可能であることを立証した。解決の核心をなすのは、不動点定理と一般化されたPrufer変換の巧妙な混用である。我々は、視点を、特異な非線形項をもつ非線形Sturm-Liouville微分方程式に移し、その解の構造の解明を試みた。その結果、一般の予想に反して、特異解を全く持たない特異方程式の一群が存在することが確認された。我々は、最後に、微分作用素の所に特異性がある(従来の文献では全然扱われていない)微分方程式を取上げ、どの様な形の解が現われるかを詳しく分析した結果、既に知られているタイプの解とは異なる挙動を示す奇妙な解(我々はこれをブラックホール解と名付けた)が存在することを突きとめた。これは小さいが重要な発見である。この種の新しい病理現象の解明は今後の課題である。
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