研究課題/領域番号 |
09640274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
富崎 松代 (富さき 松代) 山口大学, 教育学部, 教授 (50093977)
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研究分担者 |
増本 誠 山口大学, 理学部, 助教授 (50173761)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
岡田 真理 山口大学, 工学部, 助教授 (40201389)
柳 研二郎 山口大学, 工学部, 教授 (90108267)
河津 清 山口大学, 教育学部, 教授 (70037258)
村木 尚文 山口大学, 工学部, 助教授 (60229979)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | ソボレフ不等式 / 拡散過程 / ブラウン運動 / ディリクレ形式 |
研究概要 |
ヘルダーカスプのあるリプシッツ境界をもつd次元ユークリッド空間の領域D上の、拡散過程の構成と分解についての研究を行った。境界は局所的にある種のヘルダー関数で表現出来、カスプの開き方を定めるヘルダー指数についての下限γは真に正であることが必要である。このような領域上や定義された有界可測な係数a_<ij>をもつ一様楕円型2階偏微分作用素に対応し、H^1(D)を定義域にもつ対称ディリクレ形弐εが研究の対象である。εに対応するL^2(D)上の強連続なリゾルベントを{G_λ}とすると、(i)G_λ(L^2(D)∩L^p(D))⊂C(D),p>1+(d-1)/γ,(ii)G_λ(C_∞(D))はC_∞(D)の稠密部分空間、となるので、εに対応するD上の拡散過程Mが存在する。これは、反射壁拡散過程と呼ぶべきものである。上記のリゾルベントは、D×Dの対角線部分を除いて連続なリゾルベント密度をもち、従って、Mは推移密度関数をもつ。この密度関数のカスプ点近くでの上からの評価も得られ、それは、カスプの開き方に依存していることが分かる。我々が得た拡散過程は、D全体で定義されているので、M.Fukushimaによる拡散過程の標本関数の分解定理が、除外集合なしにすべての点を出発する標本関数に対して適用できる。即ち、標本関数は、連続マルチンゲール汎関数の部分と、エネルギー零の汎関数の部分に分解される。更に、a_<ij>∈C^1(D)であり、カスプのヘルダー指数が1/2以上の場合、エネルギー零の汎関数部分は、有界な時間区間上の有界変動関数となる。これは次元dに依存しない性質であり、興味ある結果と思われる。ヘルダー指数が1/2未満の場合には有界変動とはならないと予想される。またMは、対応するサブマルチンゲール問題の解になっているが、2次元の場合に、係数a_<ij>がC^<1,α>-classであるならば、解の一意性も証明出来る。
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