研究課題/領域番号 |
09640334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
清水 肇 山形大学, 理学部, 教授 (20178982)
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研究分担者 |
田島 靖久 山形大学, 理学部, 助手
吉田 浩司 山形大学, 理学部, 講師 (80241727)
加藤 静吾 山形大学, 理学部, 教授 (70013422)
木梨 徹 山形大学, 理学部, 助手 (00292409)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | カイラル相転移 / BSOクリスタル / SPring-8 / レーザー電子光 / PWOクリスタル / EGS4 / ブリッジマン方式 / Java言語 |
研究概要 |
この研究の目的は、カイラル相転移への前駆現象の探索に必要な大立体角測定器の一部の最小単位を開発研究することであった。 初年度は、主に、大型BSOクリスタル開発に関係する部分の研究を行った。EGS4によるシミュレーションを行い、BSOクリスタルの大きさや形を決定した。クリスタルは世界最大の大きさであるため、その大型化への過程においては、時間を要したが、縦型のブリッジマン方式によって、所期の大きさの単結晶が得られた。次年度では、大型BSOクリスタルを同時に複数個製造し、電子及びガンマ線ビームに照射してその特性を調べる予定であったが、大型クリスタルの複数個製造に困難をきたした。これは、前年度に確立したと思われていた大型BSOクリスタル製造の技術が未だ確立していないことによるものであった。安定に大型結晶を成長させる技術の確立には、なお時間がかかるようである。 この研究は、本来、SPring-8におけるレーザー電子光を用いた実験(カイラル相転移への前駆現象の探索)に使用するガンマ線検出器の開発を行うものである。大型BSOクリスタルの大量生産に困難をきたしたため、平成10年度の予定を変更し、BSOクリスタルに代わるPWOクリスタルの性能を調べることにした。実験はSPring-8のBL11XUビームラインで行われ、PWOクリスタル検出器を用いて、蓄積リング内の残留ガスによる制動輻射光を測定することにより、レーザー電子光ビームのバックグラウンドを測定するとともに、PWOクリスタルの位置分解能のテストも同時に行われた。この測定により、1GeV以上の制動輻射光が、1秒間に最大600個検出された。BL11XUビームラインの直線部は、レーザー電子光ビームラインに比べて、約2倍の長さなので、実際には300Hz程度のバックグラウンドと推定される。これは、レーザー電子光の強度(1×10^6個/s)に比べて十分小さいことが判った。又、8GeVの制動輻射光がPWOにより、精度よく測られ、そのビームの大きさが、0.6mm(RMS)以下であることが判明した。尚、このテスト実験では、前年度に開発したLINUXによるデータ収集プログラムが用いられた。
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