研究課題/領域番号 |
09640395
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大野 裕 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80243129)
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研究分担者 |
河野 日出夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (00273574)
竹田 精治 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70163409)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1998年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1997年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 電子励起 / 電子線誘起拡散 / インジウム燐 / ガリウムインジウム燐 / カソードルミネセンス / フォトルミネセンス / 透過電子顕微鏡 |
研究概要 |
CuPt型の自然超格子構造を持つGaInP中における点欠陥の電子励起状態での動的挙動を透過型電子顕微鏡内その場可視分光測定法で調べた。試料は価電子帯と伝導帯間のバンド間電子遷移により1.9eV付近にピークを持つ発光(フォトルミネセンス、カソードルミネセンス)を示す。この試料に電子線を照射すると、電子のエネルギーが150keV以上の場合、照射量の増加に伴うピークエネルギーの移動が観測された。この移動は超格子構造の崩壊(不規則化)に伴うバンドギャップの変化と理解された。 不規則化は電子線照射下でのGaおよびIn両原子の位置置換で生じる。高エネルギー分解能の可視分光測定で、従来法(電子線回折)では定量測定が困難な照射量が10^<20>cm^<-2>以下での微小な不規則化過程を観察した。その結果この照射量領域における不規則化過程は、従来のknock-onモデルすなわち定常的な点欠陥の導入およびその拡散を介した不規則化ではなく、電子励起誘起による原子空孔の拡散が寄与するのが分かった。さらに詳しく点欠陥の動的挙動を調べるために、測定系の高感度化を進めラマン散乱の測定を試みた。GaInPにおけるデータはまだ得られていないが、さらなる高感度化で測定を達成し、より詳細な電子励起状態での点欠陥反応の研究を進めていきたい。 電子線と可視光の同時照射状態(電子励起状態)での定常状態に至るまでの過渡的な点欠陥反応のその場観察を達成した。これはTEM-可視分光その場観察法の電子励起状態での点欠陥の動的挙動の研究に対する有益性を示すものである。
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