研究課題/領域番号 |
09640396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
石原 一 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教授 (60273611)
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研究分担者 |
安食 博志 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (60283735)
張 紀久夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (60013489)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 非線形光学 / 光パルス / 励起子 / ポラリトン / 超高速応答 / メゾスコピック系 / ナノスケール物質 / 薄膜 / パルス応答 |
研究概要 |
メゾスコピック物質などにおける閉込め電子系の超短光パルス応答を応答電磁場のナノスケール空間構造を取り入れて計算を行うべく以下の特徴を持つ計算手法の構築を行った。 ・応答の非局所性が正しく取り入れられる(物質の空間分散性が取り入れられる)。 ・応答電磁場と誘起電流密度のミクロな場所依存性が正しく取り入れられる。 ・応答電磁場と誘起電流密度の微視的運動がセルフコンシステントに取り入れられる(遅延相互作用が正しく取り入れられる)。 ・非線形効果が取り入れられる。 物質系の密度行列の運動方程式とMaxwell方程式を連立させて数値的に解く方法において、取り入れる電子状態数の縮小、回転波近似、時間軸上での包絡線近似等を考慮することにより、上記計算を実行可能なものにした。 上記方法を薄膜における閉込め励起子系に応用した結果、以下の知見が得られた。 1.数百fs程度の幅を持つ短パルスであっても共鳴電磁場においてはナノスケールの空間構造が顕著に現れ、線形・非線形何れの領域においても長波長近似で成り立つ選択則が破れることが明らかになった。またこの様な状況においては本研究計画において開発された方法が不可欠であることが認識された。 2.短パルスによるナノスケール薄膜中の多重反射効果による内部電場空間分布の実時間変化が初めて明らかになった。 3.また上記の実時間変化の様子を反映した形で非線形信号が生じることが分かり、応答電磁場のナノスケール空間構造が非線形信号の時間特性においても重要な役割を果たしていることが明らかになった。またこの時間変化は内部電場の空間構造を無視すると全く記述できないことが分かった。
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