研究課題/領域番号 |
09640530
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長野 勇 金沢大学, 工学部, 教授 (50019775)
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研究分担者 |
八木谷 聡 金沢大学, 工学部, 講師 (30251937)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 大気発光現象 / 雷放電による電波放射 / Sprites / Elves / full wave計算 |
研究概要 |
雷放電に伴う上層大気の発光現象(SpritesとElves)の発生に関して、3次元空間での時間発展のシミュレーションに成功し、それらの発生特性および雷放電から放射される電磁波の特性を明らかにした。その成果の概要を以下に述べる。 1. 雷放電として電流パルスがCloud-to-Ground放電するものと仮定し、その電磁波が地球磁界を考慮した電離層に入射するものとして、放射波形が厳密に解かれた。 2. 電磁波強度と窒素分子の励起による発光強度の関係を式で与え、発光現象の発生領域 と発光強度の時間推移を求めた。 3. Elvesは雷放電による電磁波パルスにより、高度80〜100kmで、放電後0.4〜0.7msecの間に半径40kmから100kmまで時間と共に増大するやや非対称なシリンダ状に発生することが示された。またSpritesが高度60〜70kmで厚さ10km、半径20kmの円筒状に0.6msecか ら数十 msecまで継続して発生する原因は、雷雲中の正電荷が放電した後に残された負電荷により生じる強い静電界によるものであることが示された。これらの結果は最近の観測結果とその構造には違いが見られるが、発光強度、発光時間に大変よい一致が見られた。 4. 計算により求めた雷放電から放射される電磁波波形に対して詳細な周波数解析を行っ た結果、電離層ー大地間の電磁波多重反射の影響で、雷からの距離の違いにより観測波 形には顕著な周波数特性の違いが生じることが明らかになった。このことは、雷からの 空電波形を一地点で観測することにより雷の位置を検出できる新たな可能性を示すもの である。 5. 実際にアメリカのロケット実験で雷雲上空数百kmにおいて観測された電磁界波形との 比較を行ったところ、実測された波形は本計算法で求められる値とおおよそ一致し、本 計算法が定量的に正しいことが示された。
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