研究課題/領域番号 |
09640563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
岩石・鉱物・鉱床学
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
田切 美智雄 茨城大学, 理学部, 教授 (50007829)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ミグマタイト / 部分融解 / メルト / 花崗岩 / 画像解析 / 地殻 / リューコゾーム / 花崗岩類 / 分離濃集 |
研究概要 |
日高変成帯南部のミグマタイトと花崗岩類の主成分化学組成をもとに、部分融解度を見積もる方法を提案し、日高変成帯で花崗岩類を生成するために何%の部分融解が生じたかを見積もった。Sタイプ花崗岩類では砂泥質岩が67%以上融解して生じることを、Iタイプ花崗岩類では角閃岩が30%以上融解して生じることを示した。顕微鏡的から肉眼的なスケールで花崗岩質メルトが発達する様子を岩石の連続スライスを作成して画像をとり、パソコンで三次元的に解析し、メルト移動のメカニズムを論じた。肉眼的な脈が発達する部分では顕微鏡的メルトの出現が少なく、逆に肉眼的な脈が発達しないところに多い。この現象は部分融解した岩石中で結晶粒間のメルトがパーコレーションを起こして分離濃集していく過程と解釈される。部分融解の物理的過程を考察し、メルトの発生、分離濃集、花崗岩マグマ体の生成の間、どのようにメルトが挙動するか、水の役割はどのように現れるか、そしてそのために何を観察すべきかを提言した。この中で、ミグマタイトとは部分融解してメルトが移動過程にあるものを言うことを明確にした。また、部分融解は非平衡過程であり、平衡分配で融解液の組成を見積もることは正しくない事を示した。さらに、岩石の水の分圧が保持されるかどうかが、部分融解とミグマタイトの発生を大きく左右すること、バソリスを形成する花崗岩帯の出現のためには、地殻深部への水の添加が必要であることを示した。筑波地方の球状花崗岩は花崗岩マグマ中に地殻物質の泥岩が取り込まれて融解して生じた事を示し、そのときの物理的過程を結晶成長、球の形状などの詳細なデータから論じ、花崗岩マグマと泥岩の融解メルトとの液体不混和現象で生じたことを明らかにした。
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