研究課題/領域番号 |
09640578
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地球化学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
斎藤 和男 (齋藤 和男) 山形大学, 理学部, 教授 (80125765)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
1999年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1998年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 朝日深成岩体 / K-Ar年代 / Ar40-Ar39年代 / 黒雲母 / 角閃石 / 閉鎖温度仮説 / 白亜紀 / 山形県 / 冷却史 / K-Ar年代測定 / ^<40>Ar-^<39>Ar年代測定 / 深成岩 |
研究概要 |
山形県と新潟県にまたがって広がる朝日深成岩体の山形県内の部分から岩石試料を採取し、これより角閃石と黒雲母を分離してスパイクを用いたK-Ar法と、Ar40-Ar39年代測定法で年代測定を行った。角閃石の年代は岩体の中央部で8000万年から9000万年を示し、周辺部に6000万年程度の若い年代が分布する。一方、黒雲母の年代は5000万年から1億年の間に分布するが、岩体中心部にも若い年代が現れ、角閃石と比べると空間的年代配置は乱れている。 同じ岩石片から分離した角閃石、黒雲母の年代を比べたときに黒雲母の方が古い場合がみられるが、これは深成岩が冷却する際にはArに対する閉鎖温度が500℃程度と高い角閃石の方が、閉鎖温度が300℃と低い黒雲母より古い年代を示すとい「閉鎖温度仮説」とは逆の結果である。当研究室の南部フォッサマグナ地域の甲府・秩父岩体などの年代研究でも、黒雲母が角閃石より古い年代を示す場合があり、日本の深成岩では「閉鎖温度仮説」が必ずしも成り立たないことが分かっていたが、今回の結果では、この年代の逆転に伴って、黒雲母の年代がカリウム含有量の減少に従って高くなるという、これまで見られなかった現象も現れている。カリウムの減少によっても年代が6000万年程度であまり変わらない黒雲母と、カリウムの減少に伴って年代が増加する黒雲母の結晶内での元素分布を調べたところ、後者の方が新鮮であることが明らかになった。現時点では、年代の逆転は試料の変質によるとは考えられない。 朝日花崗岩は白亜紀に岩体の中心部から周辺部に向けて何回か深成岩体が貫入したと考えると年代分布と地質図をもっともよく説明することが出来る。
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