研究課題/領域番号 |
09640590
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石川 春樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80261551)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 異性化反応 / 高振動励起状態 / HCP分子 / 波動関数 / 分散蛍光法 / 誘導放出分光 / 蛍光分光法 / 誘導放出励起分光法 / HCP / 誘導放出分光法 |
研究概要 |
HCP分子のHCP→CPH異性化反応を分光学的に捕らえることを目的として、HCP分子の高振動励起状態の観測およびその解析を行った。観測には分散蛍光法、及び誘導放出励起分光法を用いた。両者ともに電子遷移を用いるが、その際に赤外-紫外二重共鳴法を用いることで、これまで観測が困難であったCH伸縮振動が励起した状態を観測することに成功した。従来の分光学的解析では単に振動エネルギーの再現を重要視していたが、本研究では、変角振動とCP伸縮振動の間の相互作用を考慮した有効ハミルトニアン行列の固有ベクトル解析を行い、その際に得られる波動関数の形状についての情報に注目した。その結果、高振動励起準位において振動波動関数の形状が大きく異なる準位(異性化状態)が発生することが示された。この解析結果は、理論研究によって予想されていた異性化状態の発生と非常によく一致しており、解析の妥当性が示された。つまり、分光学的に異性化状態のような大きく振動の性質が異なる準位を捕らえたということができる。今後、CH伸縮振動との相互作用を考慮した解析に発展させることでより高エネルギー領域での異性化を含めた分子の振動ダイナミクスを明らかにすることができると期待される。 本研究に刺激されていくつかの理論研究グループがHCP分子のHCP→CPH異性化反応の研究を行ってきた。それらの理論研究グループとの議論の結果をもとに、実験、理論両方の立場から見たHCP→CPH異性化反応についての共著の総説が平成11年中に発表される予定である。
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