研究課題/領域番号 |
09640591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物理化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤井 朱鳥 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50218963)
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研究分担者 |
三上 直彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70004447)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 赤外分光 / 水素結合 / リュードベリー状態 / 自動イオン化 / イオン / 二重共鳴法 / フルオロフェノール / クレゾール / リュードベリ状態 / 超音速分子線 / フェノール |
研究概要 |
気相単分子イオンの赤外分光は、これまでダイオードレーザーによる直接吸収測定以外に有効な手段が無く、その適用範囲は小サイズ分子イオン(2〜6原子程度)に限られていた。本研究においては、既存の手法とは全く異なる発想に基づく、新しい分子イオンの赤外分光法の開発を行った。 申請者らは、分子イオンそのものではなく、それと全く同一の構造を持つ高リュードベリー状態のイオンコアに注目し、その赤外振動遷移を自動イオン化を利用して高感度に検出することに成功した。この方法は世界に先駆けて本研究で開発されたものであり、「自動イオン化検出赤外分光法(autoionization-detected infrared spectroscopy)」と命名された。 自動イオン化検出赤外分光法は超音速分子線中の分子イオンに適用可能な高感度分光法である。また、高リュードベリ状態の生成に二重共鳴法を用いることにより、既存の方法では不可能であった異性体分離やスペクトル担体の明確な帰属が可能となった。 申請者らは、自動イオン化検出赤外分光法を芳香族分子イオンに適用することにより、現在までに以下の成果を収めた。 1) フルオロフェノールイオン、メトキシフェノールイオンのOH伸縮振動を測定し、イオンにおける分子内水素結合を初めて直接的に観測した。 2) クレゾールイオンのOH伸縮振動が、隣接するメチル基に対する配向により特徴的に変化することを見出し,メチル基がプロトン受容体となる新しいタイプの分子内水素結合の存在を示した。 3) エチルフェノールイオンのCH伸縮振動を測定し、気相芳香族単分子イオンのCH伸縮振動の観測に初めて成功した。また、イオン化に伴い、CH伸縮振動が高波数シフトする事を見出した。
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