研究課題/領域番号 |
09640620
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
大北 雅一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助手 (60211786)
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研究分担者 |
辻 孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20029482)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Dewarベンゼン / ベルト型分子 / 多核シクロファン / パラフェニレン / ビスジエン / Dewar ベンゼン / 大環状化合物 / 環状パラフェニレン / Diels-Alder反応 / 原子価異性化 / 超分子 / ホストゲスト錯体 / 人工レセプター |
研究概要 |
Dewarベンゼン類の原子価結合異性化は構造的に変形したベンゼン誘導体の発生法として有用であり、これまでもパラシクロファン類を中心に多くの高歪み化合物の合成に利用されてきたが、より複雑な系への応用にはこれまで注意が向けられてこなかった。本研究では、Dewarベンゼンを活用した方法論のさらなる有効性と適用限界を知る目的で、物性と化学反応性の観点から興味が持たれるいくつかの新規なベルト型分子をDewarベンゼンの特性を活用して構築することを計画した。その結果、新たにアセタール架橋ジクロロDewarベンゼンを汎用性ビルディングブロックとして導入することによって、2種の新奇なアセチレン系マクロサイクル類の合成に成功し、それらの構造と性質を明らかにした。ここで得られた結果は、Dewarベンゼンがパラフェニレンユニットの折れ曲がり合成等価体として活用できることを示した最初の例であり、このアプローチは様々なマクロサイクル合成に応用可能な新たな合成戦略に発展する期待がある。さらに、未知の2,3,5,6-テトラメチレンビシクロ[2.2.0]ヘキサン骨格を持つ新規ビスジエン分子を開発し、これがジエノフィルとの二重のDiels-Alder反応によってDewarベンゼン骨格を与え、さらなる脱水素化によってDewar型ポリアセン類を与えることを明らかにした。ここで得られた結果は多様性のあるDewar誘導体への道を開くものであり、本研究期間内に確認するには至らなかったが、それらDewar誘導体をさらに新奇なシクロファン類やベルト型分子に対する合成前駆体として応用することが期待される。
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