研究概要 |
2核白金イソシアニド錯体[Pt_2(RNC)_6]^<2+>と[(Ph_2PCH_2)_2PPh](n=dpmn)との反応は[Pt_2(RNC)_2(dpmn)_2]^<2+>1をあたえた。1はsyn-およびanti-構造から成る異性体が存在し、互いに変換することができる。Syn1にML_2(M=Pt,Pd)を処理するとMが末端に導入された直線状の3核錯体[Pt_2M(RNC)_2(dpmn)_2]^<2+>2がえられた。1方、anti-1との反応においてはPt-Pt結合にMが挿入したPt_3あるいはPt_2Pdから成るA-frame錯体[PtMP(RNC)_2(dpmn)_2]^<2+>3がえられた。これらの錯体の電子構造について分子軌道法計算によりおこなった。錯体1に対してM'PF_6(M=Au,Ag)やCuX(X=CI,Br,I)を反応させると末端に付加したタイプの構造をもつ錯体[Pt_2M'(RNC)_2(dpmn)_2]^<2+>4[Pt_2CuX(RNC)_2(dpmn)_2]^<2+>5がえられた。ロジウムやイリジウム錯体との反応も行い新しい錯体を単離した。白金3核錯体とp-ニトロフェニルイソシアニド(R'NC),tcne,alkyne,HBF_4および[NO][BF_4]との反応も試みたところ,それぞれ[Pt_3(RNC)_2(dpmn)_2(R'NC-μ)]^<2+>, [Pt_3(RNC)_2(dpmn)_2(μ-NO)_2]^<2+>などの新しい錯体がえられた。 パラジウム錯体についても同様な反応を試みたが、白金錯体とは異なる反応性が認められた。 本研究でえられた結果については以下の総説で述べている。 Trends in Organometallic Chemistry, vol. 3, 36, (1999)
|