研究課題/領域番号 |
09640684
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能・物性・材料
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
鈴木 淳史 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (90162924)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 機能性高分子ゲル / 表面構造 / 階層構造 / 体積相転移 / 原子間力顕微鏡 / ラフネス解析 / 自己相関関数 / 静的接触角 |
研究概要 |
本研究では、高分子ゲルのメゾスコピックサイズの表面構造とその刺激応答性を観測・解析することによって、サブミクロンサイズの表面構造が巨視的な機能に果たす役割、高分子の持つ複雑構造とそれが生み出す機能を解明することを目的とした。表面構造の階層性について研究し、次の成果を得た。 1. 高分子ゲルの合成:フィルム状のN-イソプロピルアクリルアミド(NIPA)ゲルをさまざまな環境下で合成した。合成温度を変化させることにより、網目の不均一性を変化させた。 2. 微視的な表面構造の評価:(1)原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、NIPAゲル表面のメゾスコピックサイズの表面構造を液中で直接観察した。(2)外部環境の変化に伴う微視構造の変化を測定するために、自作の液中セルを用いて、温度変化によるNIPAゲルの表面形態の変化を測定した。紫外可視分光光度計を用いて溶媒成分を定量した。(3)AFMによって得られたゲルの表面像の自己相関関数、相関長を決定し、スケーリング、パワースペクトルなどによるラフネス解析を行なった。 3. 巨視的な体積相転移とキネティクスを、顕微鏡ビデオシステムを用いて測定し、各々の因子の膨潤曲線に与える影響、刺激応答性、相転移速度について考察した。 4. 水中でのゲル表面と気泡間の静的接触角を温度の関数として測定した。表面の疎水性、親水性といった化学的性質のみならず、網目の密度、表面の不均一性、表面粗さといった物理的性質の微妙なバランスによって表面の巨視的な性質の1つである静的接触角が、決定されることを実験により明らかにした。 5. 表面の微視構造の評価、及び巨視的な物性実験を基に、網目構造の階層性を評価し、サブミクロンサイズの構造が巨視的形態変化を生み出す原理について考察した。分子レベルの化学的性質や構造変化のみならずサブミクロンサイズの構造とその変化が、巨視的な表面の機能に大きな影響を与えることが示された。
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