研究課題/領域番号 |
09640717
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
|
研究機関 | 東京水産大学 |
研究代表者 |
渡部 徳子 東京水産大学, 水産学部, 教授 (40092382)
|
研究分担者 |
松川 真吾 東京水産大学, 水産学部, 助手 (30293096)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 水 / 多糖類 / ゾル-ゲル転移 / 円偏光二色性 / スピンプローブESR / コイル-ヘリックス転移 / 水素結合 / NMR緩和 / 糖鎖 / 磁場勾配NMR / 飽和移動EPR / 拡散計測 |
研究概要 |
I ジェランガム/陽イオン/水系におけるコイル-ヘリックス並びにゾル-ゲル転移 両転移過程に対する陽イオン依存性がNMR緩和時間およびCDにおけるモル楕円率により検討された。コイル-ヘリックス転移の転移温度と可逆性に対する陽イオン依存性が顕著になり、特にKとCaイオンはジェランと強い相互作用があることが見いだされた。ゾル-ゲル転移に対しては、2価陽イオンは2個のカルボキシル基間に架橋を形成することによりゲル化を促進するが、1価陽イオンはまず糖鎖の陰イオン性を遮蔽して高分子鎖を接近する役目を果たした後に、水素結合により形成されるゲル構造を補強する働きがある。ゲル化機構ならびにゲル構造が水素結合の観点から議論された。 2価陽イオンとしてCuイオンを採用しESRスペクトル変化から架橋点における配位構造と配位の強さを見積った。Cuイオンは2個のカルボキシル基により配位された平面四辺形錯体として架橋を形成するが、その結合の強さはグルクロン酸による配位に比べて弱い事が解った。 II デキストラン/陽イオン/水系におけるゲル化機構 Kイオンのみがゲル形成に寄与すること、これは糖鎖がイオノフォア的超空間を形成しその大きさがKイオンにフィットすることとKイオンの水和特性に起因することをK-NMRと水の拡散係数から明らかにした。また、Naイオンを共存すると、ゲル化を促進すると共にゲルの熱安定性を高める効果があることが確認され、AFMにより骨格構造に違いがあることを示した。 III カードランのローセット及びハイセットゲルのケル化機構 カードランはゲル化温度によって水素結合あるいは疎水性結合によりゲルを形成する。ゲル形成過程における構造変化は膨潤過程、溶解過程及びゲル形成過程の3段階に行われることがNMR緩和時間の解析から得られた。ゲル化はローセットゲルにおいては40℃から、ハイセットゲルにおいては60℃から始まっていることも明らかにされた。 IV プルランの特異的水和構造 デキストランとプルランは共に中性の多糖である。先に述べたように前者はKイオンによりゲル化するが、後者はどんな条件下でもゲル化しない。プルランにおいては水分子との相互作用が極めて強くまたバルク水との交換が遅いことが高分子鎖間での架橋形成を阻害していると結論された。 V カードラン及び澱粉ゲルの水和特性と凍結解凍過程 カードランゲルの水構造変化をスピンプローブESRにより検討した。さらに凍結解凍過程におけるゲルの安定性、水分子の凍結挙動の違い、不凍水や過冷却水の回転運動の相関時間や存在量を推定した。
|