研究課題/領域番号 |
09640727
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
田中 信男 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (60127165)
|
研究分担者 |
池上 亨 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助手 (20301252)
細矢 憲 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (00209248)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
|
キーワード | 分極率 / 重水素化合物 / 同位体キラリティー / 疎水性相互作用 / 光学異性体分離 / 液体クロマトグラフィー / 重原子 / 同位体効果 / HPLC充填剤 / 重水素化フェニル基 / 同位体分離 |
研究概要 |
同位体が作るキラリティーに基づく分離、例えば、水素と重水素の存在がキラリティーを作っている鏡像異性体の間の分離は、極限的に困難な分離である。Phenyl(pentadeuterophenyl)methanolについて、セルローストリベンゾエートをシリカゲルにコートした充填剤を充填した60cmのカラムを用いて、60回のリサイクルにより、初めて同位体キラリティに基づく分離(分離係数 1.0080)を達成した。この分離において固定相は、フェニル基より重水素化フェニル基を優先的に取り込む部位を有することが明らかとなった。同位体鏡像異性体の識別は、フェニル基と重水素化フェニル基を識別する部位と識別しない部位とが隣接して存在する固定相においてのみ可能である。水素を含む原子団と重水素を含む原子団とを識別する官能基と識別しない官能基を特定するために、種々のアルキル系、芳香族系固定相を用いて、逆相クロマトグラフィー条件下で水素化合物と重水素化合物との分離を試み固定相の構造と水素/重水素化合物の分離との関連を検討した。アルキル系固定相は芳香族化合物に対して水素同位体の良好な分離を与えた。一方、芳香族系固定相はアルキル化合物、芳香族化合物の両方に良好な同位体分離を示した。一般的に固定相の屈折率を増大させる芳香環や重原子の存在が水素同位体の識別をもたらし、逆に屈折率の小さなフッ素系の固定相はほとんど水素同位体を識別しなかった。移動相中の有機溶媒量の減少は、一般的には同位体識別を増加させたが、低い有機溶媒濃度において、アルキル系とくにフッ素系の固定相は同位体識別を増加させなかった。これらの結果は、水素/重水素同位体の識別が、固定相と同位体化合物との分散相互作用の差によってもたらされていることを示している。次の課題は分極率に差のある官能基を組み合わせて、同位体キラリティを識別できる人工系のキラル固定相を設計することである。
|