研究課題/領域番号 |
09640745
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
|
研究機関 | 東京大学 (1998-2001) 群馬大学 (1997) |
研究代表者 |
舘野 正樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (00179730)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1998年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1997年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
|
キーワード | 炭素 / 窒素 / 栄養生長モデル / 生態系モデル / 競争 / 遷移 / 窒素固定 / 高等植物 / 窒素利用 / 落葉樹 / ヤマグワ / 最大光合成速度 / 物質分配 / 窒素環境適応 / 通導性 / イタドリ / シロザ / ヤシャブシ / 窒素競争 / 窒素利用効率 / 落葉樹林 / 繁殖戦略 / ブナ / モミ / 陸上生態系 / 窒素循環 |
研究概要 |
植物の炭素獲得(ベネフィット)とそのために必要な窒素(コスト)を考慮した植物の生長モデルおよびそれをもとにした生態系モデルを構築した。そのモデルの予測を実験的にテストすることを試みた。 1.植物がもっとも生長速度を高くするための最適物質分配は、土壌の窒素環境、植物の形態、植物のライフヒストリーによって変化する。モデルの予測する最適物質分配の結果として決定される葉の窒素濃度(=最大光合成速度)は、現実に存在するさまざまな植物の持つ葉の窒素濃度とほぼ一致する。 2.窒素固定植物は秋になっても葉から窒素を回収しない。これは、非窒素固定植物が葉から窒素を回収している間も光合成を続けることでかなりのエネルギーを獲得できるからである。実験的な計測によれば、そのエネルギーは、葉に含まれる窒素を固定するために使ったエネルギーの6倍程度だった。したがって、窒素固定植物が葉から窒素を回収しないことはエネルギー収支からみて十分ペイするものだった。 3.窒素競争モデルは、森林の遷移が葉の寿命の短いものから長いものへとおきることを予測した。この予測をテストするために、現在ヤマグワとモミを用いた競争実験を行っている。 4.窒素競争モデルの予測によれば、冷温帯の落葉広葉樹林は自然には存在せず、常緑針葉樹との混交林となるはずである。これを確かめるために、落葉広葉樹林林床での常緑針葉樹の生長を計測した。その結果、これらの針葉樹は発芽後100年程度で落葉広葉樹林の林冠に到達することが明らかとなった。現在広く分布する落葉広葉樹林は、伐採を繰り返したために常緑針葉樹を失った二次林である可能性が高い。
|