研究課題/領域番号 |
09640778
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
植物生理
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
神阪 盛一郎 大阪市立大学, 理学部, 教授 (60047214)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | トウモロコシ / 幼葉鞘 / 中胚軸 / 成長 / 浸透ポテンシャル / インベルターゼ / 白色光 / 成長抑制 / 第一葉 |
研究概要 |
植物の茎細胞の伸長成長速度は、細胞壁の伸展性と細胞の浸透ポテンシャルによって主として規定されている。白色光は、細胞壁の伸展性を低下させることによって茎細胞の成長を抑制することは多くの実験的証拠によって確かめられている。一方、白色光が細胞の浸透ポテンシャルを上昇させることによって茎細胞の成長を抑制する可能性があることが報告されている(Parvez et al. 1996)。本研究では、光による浸透調節の仕組みを植物芽生えの成長と関連づけて解析を行った。 白色光はトウモロコシの幼葉鞘の伸長成長を強く阻害したが、第一葉のそれは促進した。幼葉鞘の浸透ポテンシャルは白色光照射で上昇したが、第一葉では顕著に低下した。浸透ポテンシャルの変化と幼葉鞘および第一葉の成長速度の変化との間には高い相関が認められた。幼葉鞘および第一葉各部域の総浸透物質量は各部域の可溶性糖量と相関していた。白色光照射は、幼葉鞘細胞壁に結合している酸性インベルターゼ活性を低下させた。一方、第一葉のインベルターゼ活性は光によって著しく上昇した。インベルターゼの活性は幼葉鞘および第一葉における可溶性糖量と高い相関があった。 白色光による浸透圧の増加は中胚軸においても観察された。このとき、光照射によってアポプラストのインベルターゼの活性が低下した。EDTA存在下での幼葉鞘切片と中胚軸切片の基部切り口よりの糖の遊離は、光もとで促進され、原形質膜結合性ATPaseの阻害剤であるバナジウムはこの光の影響を消去した。一方、頴果から約10mmの位置で中胚軸を切断し、その切り口からEDTA存在下で遊離する糖の分析を行ったところ、明暗条件で差はなかった。 これらの実験結果から、白色光はインベルターゼ活性を調節することによって、発芽直後のトウモロコシ芽生えにおける糖の分配を調節し、それによって浸透調節を行って幼葉鞘および第一葉の成長を調節していることが示唆された。現在、トウモロコシインベルターゼ遺伝子のクローニングをおこない、その遺伝子発現の時空間的発現に対する白色光の影響を解析している。
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