研究課題/領域番号 |
09640801
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
千葉 親文 筑波大学, 生物科学系, 講師 (80272152)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
|
配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1999年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
|
キーワード | イモリ / 網膜 / 再生 / 前駆細胞 / ギャップ結合 / イオンチャネル / 神経伝達物質 / 受容体 / 伝達物質 / シナプス / 光応答 / アマクリン細胞 |
研究概要 |
本研究は、イモリの網膜再生系を用いて、神経細胞問のシナプス形成と光応答発現のプロセスについて調べることを目的とした。まず、正常網膜をスライスし、アマクリン細胞と神経節細胞の伝達物質受容体についてホールセルパッチクランプ法で調べた。その結果、全ての細胞がnon-NMDA型とNMDA型のグルタミン酸受容体、A型のGABA受容体、そしてグリシン受容体を発現していることがわかった。次いで、アマクリン細胞の光誘起性シナプス後電流を解析した。その結果、細胞は興奮性と抑制性のシナプス入力を受けてることがわかった。また、少なくとも抑制性の成分の多くはグリシン受容体を介していることがわかった。 再生網膜をスライスし、同様の手法で、細胞の電気的膜特性の発達について調べた。その結果、網膜が1〜2層の段階(初期)では、細胞(網膜前駆細胞)は互いにギャップ結合を介して連絡していることがわかった。細胞の興奮性に関わる電位依存性Na電流は、網膜がさらに厚みを増した頃(中期II)、硝子体側に出現する丸い細胞体(おそらく神経節細胞)で初めて検出された。しかし、電流の特性は正常網膜のものと異なっていた。 Na電流を発現する細胞群(神経節細胞やアマクリン細胞)の伝達物質受容体の発現様式について調べた。その結果、non-NMDA型のグルタミン酸受容体、A型のGABA受容体、そしてグリシン受容体は、Na電流とほぼ同時期(中期II)に発現し、これらは再生が進むにしたがって増加することがわかった。一方、NMDA型のグルタミン酸受容体はシナプス層が形成される頃(中期III)に発現することがわかった。グルタミン酸の発現様式について免疫組織化学の手法で調べた。その結果、グルタミン酸は中期IIで神経節細胞と視細胞に発現し、中期IIIで双極細胞に発現することがわかった。また、発現量は中期IIIに視細胞や神経節細胞で一時的に増加するようであった。これらの研究から、網膜再生過程における神経伝達物質と受容体の発現時期について明らかとなった。今後は、シナプス伝達が始まる時期や光応答の発現時期について調べる予定である。
|