研究課題/領域番号 |
09640817
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
動物生理・代謝
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
冨永 佳也 (富永 佳也) 福岡大学, 理学部, 教授 (70078591)
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研究分担者 |
岩崎 雅行 福岡大学, 理学部, 助手 (60151726)
西川 道子 (西岡 道子) 福岡大学, 理学部, 助手 (30078563)
伊東 綱男 福岡大学, 理学部, 講師 (40131809)
水波 誠 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (30174030)
横張 文男 福岡大学, 理学部, 教授 (20117287)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 昆虫 / ワモンゴキブリ / 記憶 / 連合学習 / 匂い / 湿度 / 行動 / キノコ体 / 湿度刺激 / 温度・湿度 / コンピュータ / 画像 |
研究概要 |
本研究は、昆虫の記憶形成と脳内でのタンパク質合成との関係を明らかにすることを目指した。基礎実験に手間取り記憶形成とタンパク質合成との関係そのものを明らかにするまでには至らなかったが、主に3つの方法で脳と記憶形成との関係にせまるための実験を行い、今後この研究を推進するための基礎的データが得られた。1)行動を評価するために行動解析用プログラムを解発し、それと新たに導入した行動解析装置(校費で購入)とを用いて、ワモンゴキブリの湿度学習の結果を評価する基礎データを得るために、先ず湿度定位行動を分析した。その結果、摂水を制限されたワモンゴキブリは、低湿度環境と比較して高湿度環境に定位し、そこの長く留まることが明らかになった。その原因を明らかにするために、行動を詳しく解析した結果、低湿度環境での行動と比較した結果、(1)高湿度環境では歩行速度が低下すること、(2)高湿度環境では歩行距離あたりの方向変換角が増加するすることが原因であると示唆された。また、時間あたりの方向変換角は湿度環境に拠らずほぼ一定であった。2)ワモンゴキブリの学習能力を調べるために、餌と匂いの連合学習実験を行った。その結果、ワモンゴキブリでは比較的少ないトレーニングで学習が成立し、その記憶が長時間保持されることなどが確認された。3)昆虫の学習・記憶には脳の高次中枢の1つであるキノコ体が関与することが報告されてきているので、記憶とタンパク質合成との関係を調べる基礎として、キノコ体の構造とその入出力ニューロンについて調べた。その結果、キノコ体への情報入力部位であるキノコ体傘部には機能的な部域性があり、たとえば、匂い情報を前大脳に運ぶ嗅葉の出力ニューロンはキノコ体傘部の周縁部から中間部に終末することなどがわかった。さらにケニヨン細胞の軸索が走行するキノコ体の柄や同細胞の軸索が終末するα葉やβ葉では規則的な十数列の縞目模様が観察され、機能的な分化が示唆された。
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