研究課題/領域番号 |
09650005
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大山 研司 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60241569)
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研究分担者 |
山口 泰男 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (80005917)
大橋 正義 山県大学, 工学部, 助教授 (00005894)
小野寺 秀也 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50005972)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 中性子粉末回折 / 希土類-遷移金属化合物 / 四重極相互作用 / 磁気、結晶構造相図 / 中性子粉末回析 / 中性子回折 / 希土類-遷移金属間化合物 / 磁気構造 / 結晶構造 |
研究概要 |
希土類一遷移金属間化合物では、希土類4f電子間の間接的RKKY相互作用と3d電子の磁気モーメントによる分子場の影響が共存するために、その磁性は実に複雑で興味深い。さらに、最近、希土類正方晶化合物において四重極相互作用の引き起こす興味深い磁性が、本研究グループの共同研究者である小野寺秀也秀也氏によってあきらかにされつつある。希土類系化合物での多彩な磁性を理解するには、磁気的基底状態の系統的な理解が必要である。特に結晶構造、磁気構造決定は、研究の重要な土台として応用、基礎研究両面にとって極めて重要である。中性子散乱実験は、結晶構造決定および磁気的基底状態の静的動的性質決定に極めて有効な実験手法であるので、我々は、本科研費をもちいて日本原子力研究所に設置されている高分解能粉末中性子回折装置HERMESの調整をおこない、ほぼ建設を終了する事ができた。さらに広範囲の希土類一遷移金属化合物の磁性、とくに希土類化合物での四重極相互作用の研究に対してこの中性子回折装置を用いて、さらに研究を進める事ができた。以下に主な成果を示す。 まず、HERMESの測定精度および測定効率をより高めるために整備を行った。主に、冷凍機、測温系などアクセサリーの充実および装置の標準パラメーター決定用の高品質標準試料の購入である。これにより、低温実験が格段に効率よく行える様になった。このHERMESを用いて、多くの希土類化合物の研究で成果が得られた。特筆すべきは、正方晶化合物DyB2C2の磁気構造を詳細に調べた結果、この系では、低温で四重極相互作用とスピン間交換相互作用の競合を想定しないと説明できない複雑な磁気構造をとっている事があきらかになった。この結果は、DyB2C2が正方晶化合物で四重極秩序状態を持つ最初の例である事の証拠となったことから、希土類化合物の磁性において重要な意味を持つ。また、希土類を含むMnペロブスカイトの研究においてもめざましい成果を挙げている。この系は、格子系と3d状態の安定性が非常に密接に関連していることから、磁気構造と結晶構造の関係を広範囲の組成で理解する事が重要である。HERMESはまさにその研究に最適な装置で、多くのMnペロブスカイト系での磁気構造、結晶構造相図作成に成功している。
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