研究課題/領域番号 |
09650019
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
松下 照男 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90038084)
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研究分担者 |
小田部 荘司 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (30231236)
古川 昌司 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (30199426)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1999年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1998年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 高温超伝導体 / 磁束線 / 相関距離 / 磁束バンドルサイズ / 次元性 / ピンポテンシャル |
研究概要 |
2次元的なBi-2212超伝導単結晶試料の臨界電流密度のピーク効果をCampbell法を用いて観測した結果、ピーク磁界近傍で臨界電流密度が二つの安定な値をもった状態が存在するとともに、臨界電流密度の不連続な変化を伴った1次移転であることが明かになった。これは磁束線の3次元状態から2次元状態へのクロスオーバーに誘起されたピンニング転移であると結論された。しかし、高磁界側のいわゆる3次元状態においてもc軸方向の磁束線の長さ方向の磁気的な相関距離は10\mumのオーダーであり、パンケーキ磁束モデルで仮定されているようにCu02面間で切れ切れの状態にはなっていない。この現象は超伝導の位相が磁束線の長さ方向には相関を失いつつも、磁束線が量子化しているために常伝導核の周囲の磁気的な結合が強く残っていることによるものと考えられる。 次元性の異なるBi-2212(単結晶)、Bi-2223(テープ線材)、Sm-123(熔融法バルク材)について磁化の緩和率と不可逆磁界を測定し、磁束クリープ・フロー理論の予想と比較しよい一致を得た。これによれば超伝導体が2次元的になるほど熱活性化による磁束クリープの影響を受けやすくなるのは磁束バンドルの体積が小さくなるからであるが、これは上述のようにパンケーキ磁束モデルの予想のように長さが短くなっているからではなく、逆に横方向のサイズが小さくなっているからである。2次元的な超伝導体ではブロック層が絶縁的になり、かつ厚くなるので全体の凝縮エネルギー密度が低くなり、磁束線格子の剪断変形に対する弾性定数が小さくなる。このために磁束クリープの際に容易に剪断変形を起こし、少数の単位のバンドルを形成する。バンドルを形成する磁束線の典型的な数は最も2次元的なBi-2212で1本、最も3次元的なSm-123で4本程度、中間的なBi-2223で2本弱である。
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