研究課題/領域番号 |
09650029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大下 昭憲 三重大学, 工学部, 教授 (80023240)
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研究分担者 |
畑 浩一 三重大学, 工学部, 助手 (30228465)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1998年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 電子線バイプリズム / 3電子波干渉 / 位相計測 / バリウムフェライト / 干渉パターン / 電場 / 磁場 / 等位相線 / 干渉 / 3波干渉 |
研究概要 |
1. まず、3電子波干渉パターンの計算機シミュレーション法を確立した。 2. 電子線照射で帯電した直径0.5μmのラテックス球のまわりにできる静電場に起因する入射電子線の位相シフト量を影像法で求め、種々の帯電量を仮定して3電子波干渉パターンを計算した。その結果を平山((財)セラミックスセンター)らの実験結果と比較検討した結果、ラテックス球は650e(e:素電荷)に相当する電荷を帯びていることが判明した。同時に、3電子波干渉法を実行するために最適な電子線のコヒーレンス条件も明らかにした。 3. 磁気双極子のまわりのミクロな静磁場に起因する入射電子線の位相シフトを計算で求め、種々の磁束量を仮定して、3電子波干渉パターンの計算機シミュレーションを行い、等位相線が磁束量と共に変化していく様子を明らかにした。その結果を磁性薄膜上の微小突起間の磁束分布に関する電子線ホログラフィー法を用いたMatteucci(ボロニヤ大学)の実験結果と比較検討した結果、微小突起間に20h/eの磁束が存在することが判明した。 上記1〜3の結果を第14回国際電子顕微鏡学会議(1998)で発表した。 4. 単磁区バリウムフェライト微粒子の周りのミクロな静磁場を示す3電子波干渉パターン及び干渉顕微鏡像を平山らが実験的に得ている。そこで、単磁区バリウムフェライト微粒子を1つの磁気双極子でモデル化し、磁気双極子の周りのミクロな静磁場に基づく3電子波干渉パターンの計算機シミュレーションを行った。種々の磁荷を仮定して3電子波干渉パターンの計算を行った結果、磁荷50h/eでの計算パターンは上記の平山らの実験パターンに非常に近い位相分布を示すことが明らかとなった。そしてバリウムフェライト粒子から出ている磁束の密度は256ガウスであることが判明した。 5. 1個のバイプリズムで、3電子波干渉法の場合と同じような電磁場を反映した干渉パターンを直接得る全く新しい方法を提案し、その有効性を明らかにした。この方法はバイプリズムが1個あればよく、電子源のコヒーレンスも調整不要であるので、3電子波干渉法より簡単な方法であり、検討を続行中である。 6. 昨年度と本年度の研究成果をとりまとめ、印刷発表した。
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