研究課題/領域番号 |
09650030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
表面界面物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小出 康夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70195650)
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研究分担者 |
森 英嗣 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283644)
村上 正紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (70229970)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ダイヤモンド / 電解電子放出 / 表面損傷 / ディスプレイ / 電子源 / トンネル電流 / 電界電子放出 / 気相成長 / 電気伝導 / スパッタリング / 安定性 / ダイヤモンド状カーボン / 電子放出 / 電極 / 界面 |
研究概要 |
ダイヤモンド系半導体は電子放出源材料として注目されているが、放出電子の起源が現在のところ不明であり、電子放出機構が解明されれば、高輝度ディスプレイへの応用の突破口が開かれる。本研究の目標は、放出電子の発生起源を解明すること、および電子放出素子に必要な電極材料の設計指針を構築することである。この目的に沿って研究を行った結果、以下の成果をあげることができた。 マイクロ波励起気相成長法により作製したノンドープダイヤモンド膜の電界電子放出特性に及ぼす表面形状の影響をダイヤモンド膜の膜厚を変化させることにより調べた。ダイヤモンド膜はピラミッド型の尖鋭な結晶粒により構成されており、電界電子放出が起こりはじめる閾値電界F_Tは膜厚に大きく依存し、U字型の依存性を示した。更に、F_T値はダイヤモンドの電極金属の仕事関数に依存しなかった。従って、閾値電界はダイヤモンド表面でおこるFowler-Nordheimトンネル電流(d≦20μm)、およびダイヤモンド膜内の電子輸送(d≦20μm)によって支配されているものと考えられる。 次に、ダイヤモンド膜中に良伝導性グラファイト成分を多く含ませることで、ダイヤモンド膜を低抵抗化し、その電界電子放出特性を調べた。閾値電界は〜10V/μm程度の低い値が得られ、その値は膜厚を2〜50μmの広い範囲で達成することができた。また、ダイヤモンド膜に比べ低電界で10万倍程度大きな電子放出電流を得ることができた。しかし、電界電子放出測定後にクレーター形成を伴う表面損傷が起こった。その原因を調べた結果、真空ギャップにかかる電界E_<vacuum>の上昇が表面損傷の原因であり、表面損傷の発生には、E_<damage>=〜80V/μmという閾値電界があることがわかった。表面損傷を抑制するためには、閾値電界E_<damage>以下において電子放出動作をさせることが必要であるが、この閾値電界E_<damage>は電子源に必要な電流値を十分に与えるため、電子放出材料として応用できる可能性が明らかにされた。
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