研究課題/領域番号 |
09650079
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工学基礎
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
船越 満明 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40108767)
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研究分担者 |
金子 豊 京都大学, 情報学研究科, 助手 (00169583)
田中 泰明 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90217068)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1998年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | カオス / 結合振動子系 / 結合写像系 / カオス制御 |
研究概要 |
多数のカオス振動子が結合した系のモデルとして、各要素の時間発展がロジスティック写像で表され、相互作用が両隣の要素との拡散型である結合写像格子系の動的挙動を調べた。この系の示す時間・空間的なカオスを抑制することを目的として、M個ごとの要素の時間発展を表すパラメータを他の要素に対するパラメータから変化させることによる挙動の変化を調べた。その結果、適当な大きさの結合定数に対しては、上記のパラメータの変化を十分大きくすると、たとえかなりMが大きくても時間・空間的カオスが抑制され、いくつかのドメインからなる規則的な構造が形成されることがわかった。このように各要素が相互作用を行うことを積極的に利用して一部の要素のパラメータだけを変えることによって系全体が制御できれば、効率の良い制御という観点から好ましい。しかし、このMの値を増加させるにつれて、一様乱数状態からこの規則的構造に落ち着くまでの時間が指数関数的に増大するので、あまりMを大きくしすぎるとカオスの制御を達成するのに多大の時間がかかることもわかった。また上記のパラメータ変化が十分大きいときには、結合写像格子系の全要素数JがMの5倍程度以上では、系の挙動はほとんどJに依存せず、系の実質的自由度は5M程度であることもわかった。さらに、多自由度非線形系での複雑挙動であるパターン形成に関する研究として、容器の加振によって作られるファラデー波のパターン形成のメカニズムについて調べ、加振振動数が大きいときには四角形パターンが安定であり、ある比較的狭い範囲の加振振動数に対しては六角形や八角形のパターンが安定であることがわかった。また、多自由度系の動的挙動の不規則性解析のための効率化シミュレーション解法の開発、急冷された相互作用する多粒子系の動的挙動の研究も行った。
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