研究課題/領域番号 |
09650081
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工学基礎
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
堀尾 喜彦 東京電機大学, 工学部, 助教授 (60199544)
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研究分担者 |
狩野 修男 東京電機大学, 工学部, 助手 (30287445)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
1998年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1997年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脳のモデル / ニューラルネットワーク / 実数演算 / アナログVLSI / 非線形システム / 力学系 / ニューロンモデル / ダイナミカルセルアセンブリ / 時空間情報処理 / アナログ情報処理 |
研究概要 |
近年、脳の生理学的研究および数理的な理論研究により、脳特に大脳皮質中のニューロンは、多数の他のニューロンからの活動電位の詳細な時間情報を利用して高度な情報処理を実現しているのではないかとの仮説が脚光を浴びている。すなわち、情報はパルスとパルスとの時間間隔に埋め込まれており、さらに多数のニューロンからパルスの到着のタイミングがじゅうようである。このようなニューラルネットワークモデルにおいては、ニューロンの内部状態の連続性と、パルス伝搬遅延の連続性が重要になる。すなわち、値も時間も連続な系として実現されていなければならない。このような、連続値・連続時間系では、実数を直接扱うことができるため、従来の有理数しか扱えないディジタル計算機に比べ、格段に高度な計算が実現できる。 本研究では、連続な時間も値も扱うことが可能なアナログ電子回路で、パルス間隔に情報を埋め込んだ新しいニューロンモデルを構築し、これを用いて脳がおこなっている情報処理様式に迫ることが目的である。そのために、非同期的なパルスを扱うことができるパルスニューラルネットワークモデルを、アナログCMOS半導体技術を用いて集積回路化した。回路化したニューロンは、入力される多数の重み付けされたパルスの入力の時空間的な構造に敏感に反応し発火する。また、パルス入力の時間履歴によりその発火のタイミングや内部状態の大きさを連続的に変化させる。また、多数のニューロン間をつなぐシナプスおよび軸索回路は、アナログ的な伝搬遅延を持ち、さらに結合重みも可変である。これらの回路より構造したニューラルネットワークは、パルスの時空間構造により情報をコードし、ダイナミックにニューロングループが構成されるダイナミカルセルアセンブリの自己組織化が可能である。本研究により、脳がおこなっている情報処理様式を探るための一つの道具としての、連続時間連続値による計算がハードウェアで実現された。
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