研究概要 |
一段式火薬銃を用いて負荷-再負荷-除荷条件下で平板衝撃試験を行い、非定常衝撃波センシングシステム(UWSS)を確立することができた。UWSSは単軸ひずみ状態下での材料の非定常波伝播特性を詳細に検討することができる.その手順はつぎのとおりである. まず第一に、ターゲット試験片中の3ヵ所に埋め込んだPVDFゲージにより、時間の関数として応力の推移を計測する.この応力の測定結果から,3点の隣り合う2点の中間点で,応力の関連した彼の位相速度U°を決定する.第二に,この二つの中間点で,運動量保存則を用いて粒子速度のプロフィールを計算する.その結果から,二つの中間点の中央において,粒子速度に関連した位相速度U°を求めることができる.最後に,その中央点で,質量保存則を適用して,ひずみの推移を決定できる. このUWSSを応用した試験材料はポリメタクリル酸メチル(PMMA),ポリカーボネート(PC),アルミニウム(JIS:A1100)である.これらの試験片について得られた成果は次のようである. 1.応力と粒子速度の伝播速度U°,U°は常に一致するのではなく異なることもある. 2.単軸ひずみ状態での応力・ひずみ図について,負荷から再負荷に移る点はほぼユゴニオ曲線上にあるが,再負荷から除荷に移る点はユゴニオ曲線よりも応力の大きい側にある. 3.ユゴニオ曲線は負荷-再負荷のような履歴の影響を含む特性とは区別して考えねばならない.
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