研究課題/領域番号 |
09650123
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機械材料・材料力学
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
黒川 知明 摂南大学, 工学部, 教授 (80127076)
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研究分担者 |
今井田 豊 同志社大学, 工学部, 教授 (20066260)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 衝撃 / 座屈 / 円管 / 圧壊 / 地震 / 円管の軸対称変形 / 緩衝材 / 地震による破損 |
研究概要 |
1. 円管の軸圧縮座屈挙動 兵庫県南部地震において見られた高架道路鋼管支柱の座屈破損の原因を究明するために、実構造と同材質、同寸法比(縮尺1/50〜1/60)のモデル実験により検討を行った。実験は実構造と同寸法比のもののみならず半径/肉厚比(R/t)が20〜120の広い範囲について行った。その結果以下の事が明らかとなった。 (1) R/tの値の範囲により生じる座屈モードが異なる。提灯座屈といわれる軸対称座屈はR/tが25〜100の範囲において生じ易い。これはR/tが50程度を境界とし、それ以下では軸対称座屈、それ以上で非軸対称座屈とする従来の説と異なることに注目される。事実地震被害のあった鋼管支柱の多くはR/t=60近傍であったが軸対称座屈を生じた。 (2) 座屈応力はR/tの増加とともに減少する傾向がみられる。これはTimoshenkoによる弾性座屈の式と同傾向ではあるが、応力のレベルも減少の程度も弾性式とは大いにことなる。実験によるR/t=60近傍の座屈応力の値はσ_<CR>=250〜350MPaであった。 2. 地震縦揺れによる座屈発生の可能性 次に、上記の実験結果により明らかとなった座屈応力σ_<CR>が、はたして兵庫県南部地震の際の縦揺れにより生じ得たかどうかを検討した。鋼管支柱を弾性体、上部構造を質点とする「ばね・質点モデル」により系全体を近似し、これに地震の際に観測された地震波と等しい速度、振幅を持つ入力波(ただし速度の立ち上がり時間は種々変化させる)を仮定して応答解析を行った。その結果以下のことが判明した。 (1) 立ち上がり時間が0.01秒以内の速度波形であった場合、管の軸応力は250MPa以上となり得る。 (2) こうした短い立ち上がり時間の波形は、たとえ生じていたとしても30Hz程度のローパスフィルタのかかった地震計では記録されない。 (3) このことから縦揺れにより軸対称座屈が生じた可能性は否定し得ない。
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