研究概要 |
ストリップ連鋳法による薄版の製造においては,自由表面に発生する波は製品の湾曲,ヒビ割れなどに関係するため,その発生は極力抑えねばならない. 溶湯と水は凝固点が全く異なるが,過去の計算及び実験により,薄層流の速度境界層,温度境界層ともきわめて薄く,自由表面に発生する波は,ポテンシャル流の領域での現象であることが分かった.そのため,研究は先ず,円柱面上の薄層水流で行った. 本水面の不安定現象は外力型不安定性によるもので,水面の曲率半径,水塊の角位置,水の密度,表面張力,速度,重力の加速度などが関係する主要なファクターである.簡単な近似を行なうことにより,水面が不安定にならない水面波の波長と角位置の関係が得られた. 一方で,円柱面上の薄層水流の実験により,波の波長と不安定化する角位置の関係を求めた.波高が100分の1mmのオーダーの波の測定は困難をきわめたが,結果として,かなり精度のよい測定ができた. これらの理論計算結果と実験値を比較した結果,両者はよく一致した.
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