研究課題/領域番号 |
09650199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
流体工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
辻野 智二 熊本大学, 教育学部, 教授 (80006197)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1998年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1997年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 流体工学 / 生体工学 / 気泡 / 気泡核 / ガス拡散 / 気泡塞栓 / 減圧症 / 潜水病 / 気泡寒栓 / 人工弁 / 血管閉塞 / ヘリウムガス / 血漿 |
研究概要 |
潜水病に代表される減圧症は、高圧環境から常圧に戻る際、高圧下の生体中で溶解したガスが環境圧の低下により気泡化し、細動静脈などの末梢循環系障害を引き起こすものと理解されている。しかし、その発症機序に関する知見は乏しい。減圧症の発生因としては、液中の過飽和な溶存ガスが気泡核を激増させ、血管内の気泡塞栓を誘起するものと考えられる。本研究では、液中の気泡核分布に及ぼすガス加圧力、ガスの種類等の影響を明らかにすることを目的として、高液圧制御容器にコールターカウンターを組み込んだ圧力可変型液中気泡核計測装置を製作し、実験を行った。供試液体は水、血漿および血液、また供試ガスは空気、二酸化炭素、酸素、ヘリウムである。 その結果、ガス加圧力の増加と共に、直径10μ以上の気泡核が有意に増加することが明らかにされた。二酸化炭素の気泡核数は他のガスに比べて最も多くなるのに対して、ヘリウムの気泡核数は少ない。血漿中の気泡核は水中よりも増加し、血液中では比較的大きなサイズの気泡核数が増加することなどを究明した。 次いで、管内オリフィスを有するガス過飽和液体流動装置を試作し、オリフィス背後における気泡核分布に及ぼす加圧力および液流速の影響について検討した。その結果、流動中の気泡核数は、静止条件下に比べて1〜4オーダ増加し、流速の増加と共に核数も増大することなどが明らかにされた。 以上の結果より、減圧症の発症をもたらす気泡塞栓機構を明らかにすると共に、減圧症防止と生体の安全性について論究した。
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